海中怖話 | おバカな2人の二人三脚

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へび怒る

すこし間が空きましたが、渡嘉敷島ダイビング日記を再開します。
と言っても、今日が最終回。
ひとつだけ書き残したネタがあったので、それをUPしたいと思います。

   *   *   *

その日も、砂地に点在するサンゴの根を順番に巡り、まったりとしたダイビングを楽しんでおりました。 どの根もびっしりと魚が居ついています。 それこそ、いちいち名前を挙げていたらキリがないぐらいです。

そんな中、水深17mの地点の根で、サンゴの隙間に身を隠して休んでいるウミヘビを発見しました。
ケラマの海では、ウミヘビはそれほど珍しい存在ではありません。
 (と言っても、海中を泳ぐ姿を初めて見たときには、マジで焦りましたが)
しかし、その時に見たヤツは、ちょっと見慣れない大きさでした。
胴回りが大人の手首ぐらいで、全長は1mほどあったと思います。
小振りなウミヘビを見かけると、ついちょっかいを出してしまうのですが、さすがにこの大きさともなると、警戒心が先立ってしまいます。

ちょっと距離を置いて眺めていると、ガイドさんが 「突いてみて!」 と合図してきました。
もちろん、危害を加えるわけではなく、携行している棒の先で、軽くツンツンとする程度です。
「じゃあ、ちょっとだけね」 そんな軽い気持ちでツンツンしてみました。

身体は思ったより芯がある感じで硬め。 動きは緩慢で、手で捕まえることもできそうです。
胴体はかなり露出していたのですが、頭が見えません。
ちょっとお顔を拝見したいなぁ と思い、頭の方へ棒を差し入れた その瞬間!
 
ニュル ニュル ニュル ~~
サンゴの根元からウミヘビが顔を出しました。
1mと思った全長は1.5mほどありました。 まだ半分ほど身体を隠していたのです。
怖っ! デカ過ぎだよ!

なるとガイドさんは、彼と目が合ってしまいました。 そして、追っかけられたのです。
その時の2人ったら、すごかった。
陸上かと思うほどの素早さで、はるか彼方まで逃げて行きました(笑

ごめんね~。 ちょっかい出したのは僕なのに、トバッチリだよね。
なんて思ったら、今度は僕の方に向ってきました。
さっきまで緩慢だったくせに、追うとなったら速いのなんのって。
ゴマモンガラの時とは違って、すぐに許してくれたので助かりましたが、エアは思いっ切り消費してしまいました。

……まぁ、それにしても。
海ではバディ(相棒のようなものです)同士で助け合ってと言いますが、なかなかそうはいきませんね。 なるも僕も、自分のことで精一杯でした。 バディを助ける余裕なんて……。
ないない!

   *   *   *

ちなみに、遭遇したウミヘビは、エラブウミヘビといいます。
後で知ったことですが、その毒たるや、なんとハブの70倍!
幸い、口が小さいため噛まれることは ほとんどないそうですが。
沖縄地方では”イラブー”と呼んで、食材として流通していますから、見たことがあるという人もおられるのでは。

<Diving Log>
2008.7.2 渡嘉敷/神宮(カミグー) 快晴(波:1m) 13:52~14:47