み、みちゃった……

マンションに住んでいると、年に１回、ガス漏れ点検やら消防設備点検やら排水管洗浄やら…… いろんなものがやって来ます。
メンテナンスを考えると、一軒家より格段にラクです。 まぁその分、管理費ってもんを払ってますから、当然といえば当然ですが。

で、明日は、その指定日。 ウチでは、毎年その前日が戦場と化します。
なにしろ年末に大掃除なんてしませんから（寒いじゃん）、 部屋も水周りも散らかり放題。 点検のお兄さんたちに見せられたもんじゃありません。 粗相のないよう、お掃除しなくちゃね。

排水管洗浄の人たちは、台所・洗面所・風呂場・トイレに入ります。
消防設備点検の人たちは、各部屋に入ります。
これだけの箇所を、なると手分けして朝から掃除しました。

まず、洗面所をなるが担当し、風呂場を僕がやることに。
風呂場の敵は排水溝。 水垢、髪の毛…… その他もろもろ。 ここは一応定期的に掃除しているのですが、やはり相当汚れてる。 中性洗剤と使い古しの歯ブラシで、チマチマと汚れを落とします。
俺、朝っぱらから何やってんだか と思いながら。

小１時間かけて、だいぶ綺麗になりました。 まぁ人様に見せても恥ずかしくないでしょう。
そこで終わりかと思ったときに、ふと気になることがありました。
ユニット式の浴室って、浴槽エプロンがあるじゃないですか。 湯船の側面に付いたカバーです。
これ、外してみよっかなぁ？　って。
フックのようなもので固定してるだけだから、簡単に取り外せそうです。

外して中を見て見たくなったのです。
きっと、かなり汚れてるでしょう。 こんなところまで掃除する気はありませんが、怖いもの見たさで。

……開けてみました。


ォオー マイ ガッ！

な、なんじゃこりゃー！！　息を呑んでしまいました。
キクラゲみたいに真っ黒な水垢が、膜を張ったように一面びっしりと……。
住み始めて６年余り、初めてあけたそこは、まさにパンドラの箱でした。

見るんじゃなかった。 ここまで汚いとは思いもしなかった。
見なかったことにして一旦閉めたのですが、このまま放っておくのは、かなり勇気がいることです。 何年後かに再び開けたとき、キクラゲはキノコぐらいに成長しているかもしれません。 鼻が曲がるような悪臭を放つようになるかもしれません。

－－いかん、それは阻止せねば。

再度オープンして、いやいや掃除しました。
いや～、大変！　気持ち悪かったし、不気味でした。 夢に出てくるぜ、これ。
完璧とは言えませんが、また５、６年は放置しても大丈夫そう。（放置するなって！）

僕が風呂場で悪戦苦闘している間に、他の場所はなるが全部掃除してくれました。 気分的に、もう他の場所はやりたくなかったので助かったですよ。

そして、我が家は明日、１年でいちばん綺麗な日を迎えるのです。
ユニット式のお風呂をお使いのあなた、たまには開けてみるといいかもー。
そこには、あなたが知らなかった淫靡な世界が待ち受けているかも知れませんよ。
ただし、開ける前には心の準備体操を忘れずにね。

ではまた。