この世界に存在しない僕は、君に出会える筈なんて無いのだから。 
それでも、こうして抗っているのは、そうさ、僕は君という、その美しく気高く光り輝いている1つの芸術に魅了されてしまったからなんだ。
どうしたら、僕の存在は神に許されるのだろう?
どうしたら、君の事を強く抱きしめられるのだろう?
僕はこうして、いつも君の事をぼんやりと眺めているだけで、何1つ出来る事なんて
有りもしないのに。
僕が君を知ったのは、お爺ちゃんの家の屋根裏で古い鏡を見つけた時だった。
それはとても大事な物だったらしく、丁寧に桐の箱の中に収められていた。
鏡の表面が霞んだように見えていたので、
僕は包んであった布でこすってみた。
中々、霞が取れないので力を込めてこすっていると、鏡自体が光り輝いてきたのだ。
僕は呆気に取られてただ事の成り行きを
見ている事しか出来なかった。
鏡は次第にその眩しい光りを落ち着かせていったのだけど、その映し出している世界は本来の鏡が映すものではなかった。
それは今で言うタブレットの様で、でも、
そこに映し出されている世界は、どう見ても本物の世界に見えていた。
いや、そこに映し出されていたのは間違い無く本物の世界だったのだ、ただ、僕のいるこの世界とは全く違う世界。
ファンタジーの世界みたいだった。
その鏡が見せてくれる世界は、とても美しく荘厳で生命に溢れたカラフルな世界であった。
木々は天高く伸び、鳥たちは大空を楽しげに飛んで、猿や犬など、色んな動物も皆、
仲良く暮らしている様だった。
そんな光景の中、5人のマントを着た者に傅かれて現れたのが、高貴な輝きを身に纏った君であった。
君は色んな動物たちにたくさんの贈り物を貰って、その美しく汚れのない笑顔をお礼の代わりの様に降り注いでいた。
その笑顔を見た動物たちは、まるでそれが
自分たちが生まれてきた意味であるかのように喜び、そして涙を流していた。
正にファンタジーの世界である。
ただ、僕はその光景を見た瞬間から、既に君の虜になっていた。
君の事だけで、頭がいっぱいになって何も手につかなくなっていた。
現実社会では完全に使い物にならなくなっていた。
それでも僕は、そんな事にお構いなしで、
この鏡が映し出す君の輝きに満ちた美しい姿だけを追いかけていた。
だけど次第に僕の気持ちの中に変化が生じてきたのだ。
ただ眺めているだけでは満足出来なくなってきていたのである。
しかし、向こうの世界に行ける術など知る訳もなく、今もこうして眺めているだけなのだ。
あぁ、君に会いたい。
会って僕の事を知って欲しい。
どれだけ、僕が君の事を想っているのかを
わかって欲しい。
愛しています。
この命尽きるまで。
永遠に。


 Mi amor en eternidad para usted
          El final ♡