「波多野さんっ。お加減どうですか?大丈夫?はい、いいですね。何か想い出しましたか?そう。まだ、ダメみたいですね。あー、いいのよ、ゆっくりで。あまり考えすぎはダメですよ。」
そう言って、体温計を渡してきた。
「後は、これが食前ので、こっちのが食後のお薬ですよ。これは、今飲んで下さいね。はい、じゃあ、体温計出して、はい、35度6分。平熱っと。また、横になって、休んでて下さいね!」
そう言うと、すぐ部屋を出ていった。
忙しそうだ。
私はここに入院してから、ひと月が経つ。
車と事故に遭って、入院した。
怪我は大分治ってきたが、頭を打った事で少し記憶が飛んでいた。
名前は覚えているが、住所がわからなかったりする。
このままだと社会復帰は恐らく無理だ。
だが、ベッドの開き待ちの関係で明日退院が決まった。
これからは通院になる。
週一回の予定だ。
このまま記憶が戻らなかったらと思うと、たまらなく怖いのだ。
先生は焦らず大きく構えた方が良い結果に繋がるものだと言っていた。
私の焦りは自分でもわかるのだから、周りからしたら少しは落ち着きなさいと言う事なのだろう。
ただ、急がないと何か大変な事になると確信に近い想いがあった。
だが、今の私には出来る事が余りにも少なかった。
職場もわからず、家族もいない、このひと月、誰一人見舞いに来ていないのだ。
誰も頼れない中、救いは多少纏まった金を持っていた事だろう。
通帳と印鑑と免許証が内ポケットに入っていたそうだ。
最近500万円が、サクラショウジ(カブ と言う会社から振り込まれており、800万近く貯まっていた。
これだけあれば、当座の資金としては充分だ。
先ずは自分の部屋で情報を手に入れる事から始めるしかない。
免許証の住所では、南青山だった。
どれくらい住んでいるのか知らないが、あまり覚えがない様に思えた。
最近引っ越ししてきたのかもしれない。
とりあえず明日の話だ。
頭を使いすぎて、今日は疲れた。
明日の為にも、ちゃんと休んでおこう。
入院最後の日は、ほとんどベッドの上で過ごし、翌日退院した。
真っ先にむかったのは、自分の部屋だった。
南青山の静かな住宅街にある、まだ新しいマンションでやはり高そうだった。
10階にある部屋に入ると、タイトな黒いスーツの女が、ソファーに座っていた。
「やっと帰ってきたのね。待ちくたびれたわ。まーいいわ。とりあえずデータベースにアクセスっと。承認。コード898。セキュアタイプF3、コード136、ブーストライン セットアップ。OK。で、気分はどうなの?136?」
「何を訳の分からない事を言ってるんだ。136って、何の番号だ。人の事を番号で呼ぶなよ、馬鹿にするな!」
「当然、抜き盗られてるのね。あなたの頃はまだコンセプトが甘かったから、データカード式なのよ。だから、ばれると大変だったわ。今じゃ考えられないけど。でも、データベースにちゃんとあったから、大丈夫よ。さぁ、後ろ向きなさい。ほらっ、早く!なにしてるの!はっやっくっ。そう、よし。これでいいわ。どう、生まれた感想は?」
「馬鹿にするな!898。データを盗られた。もう、終わってしまったのだな。」
「ええ。残念ながら。あなたのミスではないのよ。裏付けはとれてるから。でも、失敗した。上は廃棄を検討中よ。時間が余り無いのよ。やるの?」
「誰に言ってる、当たり前だ。すぐに向かう。バックアップは頼む。助かった、礼を言う。多分、これでお前とは最後だろう。お前と組めて楽しかったよ。じゃあな。」俺は奴と決着をつけに、お台場に向かう。
俺は、データロイド136 波多野 涼。
俺の記憶は俺自身で取り戻す!!
おわり
そう言って、体温計を渡してきた。
「後は、これが食前ので、こっちのが食後のお薬ですよ。これは、今飲んで下さいね。はい、じゃあ、体温計出して、はい、35度6分。平熱っと。また、横になって、休んでて下さいね!」
そう言うと、すぐ部屋を出ていった。
忙しそうだ。
私はここに入院してから、ひと月が経つ。
車と事故に遭って、入院した。
怪我は大分治ってきたが、頭を打った事で少し記憶が飛んでいた。
名前は覚えているが、住所がわからなかったりする。
このままだと社会復帰は恐らく無理だ。
だが、ベッドの開き待ちの関係で明日退院が決まった。
これからは通院になる。
週一回の予定だ。
このまま記憶が戻らなかったらと思うと、たまらなく怖いのだ。
先生は焦らず大きく構えた方が良い結果に繋がるものだと言っていた。
私の焦りは自分でもわかるのだから、周りからしたら少しは落ち着きなさいと言う事なのだろう。
ただ、急がないと何か大変な事になると確信に近い想いがあった。
だが、今の私には出来る事が余りにも少なかった。
職場もわからず、家族もいない、このひと月、誰一人見舞いに来ていないのだ。
誰も頼れない中、救いは多少纏まった金を持っていた事だろう。
通帳と印鑑と免許証が内ポケットに入っていたそうだ。
最近500万円が、サクラショウジ(カブ と言う会社から振り込まれており、800万近く貯まっていた。
これだけあれば、当座の資金としては充分だ。
先ずは自分の部屋で情報を手に入れる事から始めるしかない。
免許証の住所では、南青山だった。
どれくらい住んでいるのか知らないが、あまり覚えがない様に思えた。
最近引っ越ししてきたのかもしれない。
とりあえず明日の話だ。
頭を使いすぎて、今日は疲れた。
明日の為にも、ちゃんと休んでおこう。
入院最後の日は、ほとんどベッドの上で過ごし、翌日退院した。
真っ先にむかったのは、自分の部屋だった。
南青山の静かな住宅街にある、まだ新しいマンションでやはり高そうだった。
10階にある部屋に入ると、タイトな黒いスーツの女が、ソファーに座っていた。
「やっと帰ってきたのね。待ちくたびれたわ。まーいいわ。とりあえずデータベースにアクセスっと。承認。コード898。セキュアタイプF3、コード136、ブーストライン セットアップ。OK。で、気分はどうなの?136?」
「何を訳の分からない事を言ってるんだ。136って、何の番号だ。人の事を番号で呼ぶなよ、馬鹿にするな!」
「当然、抜き盗られてるのね。あなたの頃はまだコンセプトが甘かったから、データカード式なのよ。だから、ばれると大変だったわ。今じゃ考えられないけど。でも、データベースにちゃんとあったから、大丈夫よ。さぁ、後ろ向きなさい。ほらっ、早く!なにしてるの!はっやっくっ。そう、よし。これでいいわ。どう、生まれた感想は?」
「馬鹿にするな!898。データを盗られた。もう、終わってしまったのだな。」
「ええ。残念ながら。あなたのミスではないのよ。裏付けはとれてるから。でも、失敗した。上は廃棄を検討中よ。時間が余り無いのよ。やるの?」
「誰に言ってる、当たり前だ。すぐに向かう。バックアップは頼む。助かった、礼を言う。多分、これでお前とは最後だろう。お前と組めて楽しかったよ。じゃあな。」俺は奴と決着をつけに、お台場に向かう。
俺は、データロイド136 波多野 涼。
俺の記憶は俺自身で取り戻す!!
おわり