昨日の憲法記念日に引き続き、今日はみどりの日ということで、またもや便乗(笑)企画。
シンセ特集の続きは、次回やりますのでね。
「沈黙の春」
この一瞬ドキッとさせられる言葉は、DDTなどの農薬被害によって野鳥の声が絶えたことを意味する、生物学者レイチェル・カーソンの有名な著作のタイトルです。
環境問題に関心のある方なら、もうお馴染みですよね。
残念なことに、この言葉をふと想起せずにはおれない状況が、僕の身の回りでも進行しています。
ほんの数年前まで、僕が住んでいる横浜市郊外の町は、春ともなると野鳥のテーマパークかと思うくらいたくさんの鳥の声で溢れていました。
朝まだき、開け放しておいた窓の外でウグイスたちが鳴き交わしているのを夢うつつに聞き、高原の山荘に来ているような錯覚にとらわれたほどです。
しかし、今ではめっきり野鳥の声が減り、昆虫の姿もあまり目にしなくなりました。
それもその筈。
この地域では数年前からにわかに住宅地の再開発が始まったのですが、生き物の姿や声を見聞きしなくなったのはちょうどその時期と重なっています。
かつて庭付きの一軒家があった土地には、ウサギ小屋じみた住宅が数軒もひしめき合い、庭木の一本すら植えられていません。
また、鳥たちがさえずっていた住宅と住宅の間のエアポケットのような茂みも伐り払われて、マンションや駐車場になってしまいました。
ある時期を境に開発が激化したことには、もちろんなんらかの背景があるのでしょう。
あるいは、行政が一役買っているのかも知れません。
僕の地元は、横浜市内でもとりわけ高齢化が進んでいる地域です。
住宅地が再開発されて住民が若返れば、少子化対策、税収増、医療費削減・・・
等々、行政としても多大なメリットがある筈ですから。
その一方で、あたかも車の両輪のように「横浜みどりアップ計画」という事業が横浜市によって推進されています。
その結果、確かに市民の森などは整備され、以前は耳にしなかったような野鳥の声を耳にするようにもなりました。
(単に以前は気づかなかっただけかも知れませんが。)
しかし、緑が豊かな場所とそうでない場所の二極化が進んでいます。
生息地が分断されてしまうと、生き物はエサの確保や繁殖で困難を強いられなくてはなりません。
全体としては、緑や生き物の減少が進んでいることは間違いないでしょう。
しばらく前には、東急建設が「都市計画提案制度(※参照)」を利用(悪用?)してホタルの生息地=横浜市栄区上郷町の開発計画を進めているというニュースもありました。
地方では過疎化や高齢化による野生動物の出没が深刻化しているのに、都会では僅かな緑地が開発によって失われ、人口の一極集中に拍車がかかっている・・・
なんともいびつだと思いませんか?
※「都市計画提案制度」とは、阪神淡路大震災を機に作られた制度で、NPOや民間事業者が行政に対して都市計画の決定や変更を提案できるようにしたもの。
行政だけではカバーし切れない部分を民間の力で補うためのもので、決して事業者の便益を図るためのものではない。
以下は、今年初めに横浜市環境創造局から送られてきたアンケート(なんでオレばっかり?)に対する回答の一部です。
・Q
「市民が実感できる緑や花をつくる」では、まちなかでの緑の創出・育成、市民や企業と連携した緑のまちづくり、子どもを育む空間での緑の創出・育成や、緑や花による魅力・賑わいの創出・育成に取り組みます。このことについてどう思いますか。
・A
子どもを育む何よりの空間は、家。
近年、古い家屋を壊して新築された家々は、効率重視で狭い敷地に数軒が詰め込まれ、猫の額ほどの庭すらありません。
実際、再開発著しい我が町では、ここ数年で緑や生き物がめっきり減りました。
こんな環境で子どもの心は育まれるでしょうか?
SDGsの理念に照らし、先進的・良心的な業者を選別する等の制度改革を望みます。
・Q
その他、ご意見がございましたらお聞かせください。
・A
経済の活性化や税収アップも大事ですが、長期的な観点から横浜という都市のブランド力を向上させるべく、環境保全、育農、街づくりに取り組んでいただけたらと思います。
写真は、現在開催中の「全国都市緑化よこはまフェア・里山ガーデンフェスタ」の模様。
かりそめの自然に「キレイね~」とうそぶき、写真をSNSに投稿して「いいね!」の応酬をする。
規格化された生活。
鳥のさえずりがしなくなったことにすら、気づかない。
マンションや駐車場がある場所に、かつてどんな樹木や草花があったのかも思い出せない。
日常から、生の実感がどんどん失われている。
そんな生活・・・
「僕は嫌だ!」
(欅坂46風に。)


