「良いスーツの見分け方」“見返しの仕立て” | NARUのブログ

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以前に「お台場仕立て」について書いた時にも書いたのですが。

 

今は「良いスーツの見分け方」として「お台場仕立て」が条件の1つになっているようですが、ぶっちゃけそんな事はありません。

 

本当の「お台場仕立て(=本台場)」にはそれなりの良さもありますが、よく見かけるのはほとんどが「継ぎ台場」ですから、まあ「ナンチャッッテ台場」ですわな。(詳しくは前の記事を参照下さい)

そして、「ナンチャッテ台場」にした分、他のもっと大事な部分(裾・肩・袖の仕上げ)等を蔑ろにしている物が非常に多いですね。

 

今回は前回の内容に加え、「見返し」部分での裏地との縫い合わせ方法に付いて語ります。

 

まあ、何もしてない物は論外として、以下の仕様にそれほど明確な優劣は無いです。(なにもしてないヤツって、どうも裏地がボワっと膨らみがちなんですよね…)

後は基本的に縫い付け部分の補強です。引っ張られた時に剥がれにくい事と、若干の装飾性が加味されます。

 

①裏地の縫い付け際にステッチを入れる物。

 

これも嫌いじゃありません。トラッド屋さんに多いですね。ちなみに右のは「本台場」です。さすがのエーボンハウス。

 

②パイピング。「表生地の端部」を裏地で包みこんでいるタイプです。後述の物と比べパイピング幅が広く、厚くなります。

 

比較的珍しいですが、デザイナー・前田誠氏の手掛けた物では、このタイプが多いです。

ブランドの立上げ時には採用されていないケースもありますが、その後この仕様となっていくケースが多いです。

強度的にも充分。そして恐らくはそのスマートな納まりが採用ポイントだったのではないでしょうか。

左は西武SEED館向けの「GALAMOND」、右は(恐らく前田さん期ではない)「BERGMAN」です。「本台場」で、やや「やり過ぎ」感のある(?)仕立てになっています。

 

③これもパイピング。「裏地の生地」の端部を別な生地で包み込んでいる物です。前述のパイピングと比べ、薄い生地ですので幅も細く仕上がります。

 

若干頼りない感じはありますが、強度的には大きな差は無いでしょう。「Jプレス」がこの仕様でしたね(今はどうか知りませんが)。

 

まあこの辺は正直好みで選んで良いと思います。皆さんはどれがよいと感じられたでしょうか?