さて、前田誠氏の素晴らしいデザインを語ってきましたが、ペイズリー、フローラル、そして
Papillon氏のブログでドット柄が取り上げられ、次は? …小紋柄です。
(手持ちと拾いも(ry 織り交ぜてご紹介します。)
まずは非常に渋い色合いの初期「GALAMOND」ポケットチーフ。右の拡大画像の色が本物に近いです。
※1点わかりずらいかと思いましたので追記しておきます。
この小紋柄は丸の中が濃紺の物とゴールドの物があるのはお気づきでしょうか?
そしてこの「ゴールド小紋」の出現位置が、なんと実に「不規則」なのです。
ファブリック・壁紙等のデザインを作成する場合、「リピート」という概念があります。
簡単に言うと「1つのパターンの柄が繰り返す間隔」です。「柄の最小単位」とでも言うべき物。
「小紋柄」では通常は小紋の1パターンを繰り返す形になるのでリピートは小さくて済みます。
実際にはもっと大きいでしょうが、最小の場合は以下のようなパターンを繰り返す事になります。
しかし、このスカーフの場合は、この一見ランダムに見える「ゴールド小紋」の出現パターンをも完全に
指定した、非常に大きなリピートの生地を作ったのでしょうか?
…通常はあり得ません。しかしそこは前田さんです。驚くとともに思わず「ニヤリ」としてしまう。
そこも前田誠デザインの大きな魅力かもしれません。
そしてネクタイ。非常に細かい織柄です。初期「GALAMOND」ではかなり凝った織柄を良く使用してます。
色合いがいかにも前田さんらしいブルーが使われていて、重厚かつ美しいです。
これなんかも、プリントかもしれませんか柄の傾向としては近いですね。
数は少ないですが、前田さんの創る「小紋柄」もまた、他には無い独特の個性があり素敵です。
「藍色」に近い濃紺と金色の組み合わせに、若干「曼荼羅」等に通じる東洋的、和風なテイストと「静謐」さを感じるのは私だけでしょうか。
大柄の小紋(変な言い回しですが)も数は少ないですがありました。ただ色合いも含め、それほど前田さんならではという部分は少ない、イン&ヤンや、フランコバッシとかにも近い物があった印象です。
イン&ヤンは以前上げたのでフランコバッシ(右)。感じは似てます。私こういうの好きなんですねえ。
ちなみに左は「マーク・クロス」。織柄でかなり細かい小紋を表現しています。
真ん中は「ゼニア」ですが、ペイズリーの織柄の上にプリントで小紋柄を載せてます。前田さん以後ですが「BARREAUX」が多用した手法です。