襟裏の仕立て | NARUのブログ

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さて。以前はスーツの仕立てといえば「お台場」「本切羽」でしたが、最近のスーツの仕立てについての記事を見ると、「仕立ての良いスーツ」の見分け方の一つとして、襟裏の「ヒゲ」と言われる仕様がけっこう見受けられます。

(手元に現物が無かったのでググッて下さい)

 

通常、スーツの襟裏は「カラークロス」と呼ばれる同系色の、言ってみれば「適当な布」が使われます。

そこに(ほんの申し訳程度ですが)表地の布を折り返して残しておくと言う仕様です。

これは確かにクラシックな仕様で、かつてはサイズのお直しの際に使えるように表生地を残していたようです。

 

・・・しかし。 近年そんな事される方いらっしゃいますか?

しかもほとんどの場合「ヒゲ」が小さいんですよね。実際の仕立て直しには使えないくらい。

 

コレでは意味がありません。「仕立てにこだわってますよ~」という、よく言えばメッセージ、悪く言えばただのポーズ。

正直言っていただけません。

 

さて。それでは私の敬愛する前田誠氏の手がけた「GALAMOND」ではそこはどうなっているのでしょうか?

 

答えは「表地と同じ」=「共布」使いです。

現在ではオーダーで特に指定しなければほとんどお目にかかれない仕様です。

通常のカラークロスより厚みも無いので、肩への吸い付きも良いと個人的には感じています。

 

より「クラシック」な発想で言えば、スーツのラペルと言うのは本来「縦襟」を開いた物だったわけです。

これがその本来のスタイルを踏襲したものなのか、あるいは「襟を立てて着ても違和感の無いように」と言う、実用性を意識したものなのかは分かりません。

 

しかし、私はそのこだわりを素晴らしいと思います。

 

(一枚目の物で柄合わせがされていないのは残念ですが、実はコレは前田氏がGALAMONDを離れてからの商品です。これ以降はこのブランドでも一般的なカラークロス仕様となります。)