2002年

スタニファーは150㌔の速球とスライダーを武器に、米大リーグのマリーンズなどで通算82試合に登板。3勝6敗3セーブを挙げた。「日本で重要なのは制球力と思う。積極的な投球を見てほしい」とアピールした。昨季はカブス傘下の3Aアイオワでリリーフとして活躍。広島でもストッパー候補に挙げられている。「オフも投げ込みと走り込みを積んだ」と体調の良さを強調し、2月24日のオープン戦開幕戦(対ロッテ・都城)での登板に意欲を見せた。ベルトランは、メジャーではメッツなどで通算76試合に投げ、2勝3敗1セーブをマーク。昨季はフィリーズ傘下3Aスクラントンに在籍した。「野茂ら日本人選手と接し、ぜひ日本に行きたいと思っていた」と満面の笑み。「希望は先発だが、チームのためならどこでもやる」と力を込めた。オフは母国メキシコでウインターリーグに参加。「得意球はスクリューボール。チームが日本シリーズに出場できるよう、全力を尽くす」と自信を漂わせた。背番号はスタニファーが「42」、ベルトランは「43」に決定。両投手とも2月1日から、1軍主体の沖縄春季キャンプに参加する。

若手投手で活気のあるブルペンに、2人とも立たなかった。その後もコーチ陣を横目に、2人は笑顔を交えながらランニング。早々に宿舎に引き揚げた。スタニファーは「きょう投げると3連投になる。投げても1日40、50球。それがオレのやり方」とケロリ。ベルトランも「今のペースでも、開幕には十分間に合うよ」と、。意に介していない。しびれを切らした北別府コーチは、「もっとピッチを上げろ」と注意した。「OKと言ってはいたが…。まあ、彼らの習慣だろうが、郷に入りては郷に従えだろう」と半ばあきれ顔だった。スタニファーは先発か抑え、ベルトランは中継ぎでの起用が構想にある。首脳陣は力量を早く知りたいが、現在の調整では実力を測りかねているのが現状。日本の調整ペースの違いが、困惑につながった格好だ。山本監督は「2人にとって順調な調整でも、わたしから見れば明らかな出遅れ。シュールストロムは1歩じゃない。5歩もリードしとる」と、危機意識を求める。好調な投手陣の仕上がりに水を差しかねないスロー調整ぶり。実力のほどは23日の紅白戦まで持ち越されそうな雲行きだ。

調整遅れが懸念されていたスタニファー、ベルトランの新外国人が、キャンプ初の打撃投手を務めたものの、2人そろっての大乱調。不安が現実となった。ともに打者3人に対し、最速140㌔のスタニファーは70球を投げてボール球が31球、同130㌔のベルトランは89球中、44球がボール球。ほとんど打撃練習にもならないありさまだった。それでも、スタニファーは「今後、しっかり体を鍛え、開幕までにはもっと球速を上げたい」ときっぱり。ベルトランも「いい時には140㌔は出る。おれはスロースターターなんだ」と終始。強気だった。北別府コーチは「まだ評価は何とも言えない。まあ、とりあえず放ってはくれた。徐々にピッチは上がっているのでは」と期待をつないでいた。