1997年
仙台の丹野祐樹投手は唇をかみしめた。延長十一回の守備。1死一、二塁の2-2からの5球目の高めに入った直球を、仙台育英の大滝俊也一塁手に左前に流された。左翼手の悪送球を誘い、決勝点を奪われた。174球目だった。調子は悪くなかった。カーブも切れていた。直球も「最高140㌔を記録した」(鈴木直勝監督)4点を選手されたあとは九回まで4安打無失点に抑える好投だった。

1998年

東北打線を1点に抑えたのは自信になったが、「納得の投球ではなかった」最高速度140キロの直球とスライダーとフォークボール。プロも注目するその右腕。鈴木監督は「甲子園での仙台の活躍のカギを握る選手」と丹野投手を評する。