2001年
日本ハムが3Aの精密機械をストッパーとして獲得することが9日、分かった。ヤンキース傘下3Aコロンバスのパット・フルーリー投手(28)=185㌢、100㌔、右投右打=で今季、抑えだったミラバルを先発転向させるため、来季は井場とのダブルストッパーで臨む。直球は140キロ台だが、針の穴を通す制球力とキレのいい変化球でも勝負できる頭脳派である。59イニングで28四球、75奪三振の数字が実力を証明する。93年、ロイヤルズに入団。メジャー経験こそないがマイナーでは中継ぎ、抑えでも活躍。今季も投手王国のヤ軍では出番はなかったが、3Aで44試合に登板し3勝3敗3S、防御率2.90。その数字がシーズンを通じて、安定していることを物語る。この日、ウインター・ミーティングに出席するため、渡米した小嶋武士球団社長は「日本野球になじみやすい技術と性格を持っている」と期待。業務提携を結ぶヤンキースを訪問し、フルーリー獲得のあいさつをした後、ボストンでのウインター・ミーティングで契約を結ぶ。

2002年

マイナーリーグでは持ち前の140キロ台後半の重い速球で先発、中継ぎ、抑えとして活躍した。ヤンキースへの昇格もあったが日本での新しい選手生活にかけた。首脳陣からは抑えの切り札として活躍が期待されている。その明るさからチームのムードメーカーとしても存在意義が高い。

新外国人、パトリック・フリューリー投手が30日来日した。「自分は向っていくタイプなので、直球で押していくし、インコースもどんどん攻めていく」と抱負を語った。

新外国人のフリューリーが婚約者のナタリーさんと名護中央公園に出かけた。お目当ての満開の桜に「ベリービューティフル!」を連発。「日本では桜がきれいだという話は聞いていた。絶対見に行こうと話していたんだ。歩きすぎて疲れたけどいい運動だよ」デートにトレーニングと、一石二鳥の一日となった。

新外国人フリューリー投手が、ド派手なデビューを飾った。来日してまだ3日目。キャンプ初日にいきなりブルペンに入った。「最初から行くよ」の言葉通り、捕手を座らせて約40球を投げ込む意気込みようだ。この日は新ストライクゾーンの初日。審判の判定に注目が集まるなか、大島監督もバッターボックスに足を運んだ。ところが、フリューリーの直球が頭付近を通過。持ち前の反射神経でとっさにかがんで事なきを得たが、監督は苦笑い。「アイツ、朝にあいさつしたのに、今度はボールはボールを持ってあいさつするんだから」フリューリーは「手が滑っちゃったんだ。別に他意なんかないよ。監督は熱血漢?そいつは頼もしいよね。ガハハハハハ。」と豪快に笑った。精密機械のような制球力がウリの新守護神候補。監督にビーンボールなんて大丈夫?

1点リードの9回。送り出した新ストッパーのフリューリーが毎度おなじみのヒヤヒヤ劇を演じる。川口、高須に連続長短打を浴びて無死一、三塁。後続の古久保を中飛、阿部を二ゴロ併殺に打ち取り、何とか逃げ切ったが、大島監督にとっては心の底から喜べなかった。「あとは後ろ(抑え)の問題だよなあ」報道陣への第一声が、ため息交じりになった。先発陣が順調な調整を続け、期待をふくらませるなか、抑えへの不安は日々増大していく。昨年までの守護神ミラバルを先発に回し、フリューリーに大役を任せる決断をしたが、その新守護神がピリッとした投球を一度も見せない。7日のロッテ戦、9日のヤクルト戦と常に塁上に走者をにぎわしてのピッチング。「きょうはクイックの練習をしようと思った。(走者を出して)いい練習になった」フリューリーはうそぶいたが、誰もそんな言い訳は信用していない。「抑えはだれがいいのか、みなさん(報道陣)が決めてくれませんか」浅野投手コーチの悩みが、また深くなった。

仏の顔も三度まで。ついに大島監督の堪忍袋の緒が切れた。「今のままじゃあキツイね。だれかを探さないといけない。後ろ(抑え)のことを考えると、心配で夜も眠れんよ」ダメ魔神・フリューリーに、とうとう失格のらく印を押した。1点リードの8回に登板した右腕は、いきなり葛城に中越え二塁打を浴び、後続の外野大飛球2本、同点に追いつかれた。さらに、後藤に四球を与え、盗塁まで許すドタバタぶり。これまで4度の登板も同様の内容では、指揮官も厳しい決断を下さざるを得ない。火消しどころか「放火魔」と化した期待の新外国人。「開幕までは2週間あるので、心配はしないで。期待していてくれ」とフリューリーは言ったが、首脳陣の我慢も限界に達した。「開幕まで、いろいろと試してはみるけど…」と大島監督。新ストッパーの候補には、2年目の井場らが挙がっている。