1948年
陣容に移動がないのが強味、ホープ香川は依然健在であり優勝候補の随一と称される主戦投手香川は大きく割れるアウドロと打者の近くでホップする速球を武器とし、最近ますますその「さえ」をみせた。強肩強打の新居捕手のよきリードと相まって県下随一のバッテリーを形成している。

丸高の香川投手はアウドロとスピードボールに一高の打撃を封じ攻めては香川を中心とした打陣で着実に点をかせぎ出し、そのまま逃げ込む作戦に出ようし、一高はただ一途に香川攻略に突進し戦法に出ると予想、全般的にみてチーム力にややまとまりを見せる一高がわずかながら有力に見えるが、全く予断を許さない。

香川、新居の県下髄一のバッテリーを中心にガッチリまとまった同チームは打撃力の向上いかんでは県予選の優勝校高高に雪辱して甲子園に出場する可能性が非常に多い、投手香川の速球、アウドロはますますそのさえをみせ調子がよければほとんど手がつけられず調子が悪くてもまず愛媛二チームには三点以上はあたえそうもなく、とくに昨年十一月以来愛媛勢をほとんどなできりにしているので試合を有利にすすめることができ、結局打撃力とくに下位打者のあたりと香川投手の調子いかんでは愛媛二チームはもちろん高松高にも雪辱して甲子園に初出場する可能性が十分ある。

至宝香川投手の大きく割れるアウドロとコントロールのよい打者の近くでホップする速球は定評があり全国においても小倉の福島、四京の北本、またすでに惜敗はしたが高知高の前田などについで優秀な部類に入る投手。第二次予選の二試合に敵にあたえた四球わずか四つ、敵からうばった三振十五がよくこの辺を証明しており、さらに他校投手によくみられるくずれがほとんどないのが弱味、これに関する強肩強打の新居捕手と好バッテリーは全国でも敵打者に相当の脅威をあたえよう。