1963年
杉浦監督は「いまの左投手では近藤と 竹屋の二人が出てきている」というそのことばを見事に裏書きしたようなこの日のピッチングぶりであった。スタートではカーブを多く投げすぎたきらいはあるが、中途から速球主体に切り替えた。とくに外角に流れるシュートに、いまひとつの制球力がつけばこれからが楽しみ。「カーブを投げ始めたのがまだ三日ほど前です。それに前日は休みでボールを握らなかったので、私としてはじゅうぶんなコンディションではなかった」と試合後にいっていた。そういえば、ブルペンで投げたときの竹屋はもっとまとまったピッチングをやっていた。加藤コーチも「明石の低いマウンドでこれだけ投げるのだからいい球場で投げたらもっと威力が増すはずだ」と新鋭サウスポーの台頭に目を細めていた。