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こんにちは、なりやまの嫁です(*°ω°*)♪

前回、やっとシャルルの音源をUPしました☆

まだ聞いてないよーという方は、ぜひ聴いてみてください(^^)



さて、前回の音源最終チェックで改善された「ギターのチャキチャキした高音が気になる」問題ですが

今回はそれをどのように解決したのか、解説していきますね!


前回の内容まとめ】
・音源チェックの時、すぐに気になった所をメモできるよう歌詞カードを用意する
・曲を流しながら判断するので、メモは簡潔に(〇、レ点、下線など)
・出来上がった曲を最初に聴いた印象=一番リスナーに近い感想
・音源チェックのコツは「自分の歌声を聴いている」と思わないこと


【このブログの登場人物】
なりやまさん

音楽の仕事をしているスイーツ男子。

夢は「人々が音楽を通じて成長したり、自分を表現する事が当たり前の世の中にすること」

 

なりやまの嫁

元バンドマンでなりやまさんの妻。

歌ってみたをやりたくてなりやまさんに相談したところ、このブログを書くことを条件に手伝ってもらえることに。
食べることが好きで、何でも食べ物で例えたがる。


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・ギターの気になった音をどうやって消したのか


嫁「なぁなぁ、前回ギターの音が気になるって言うて直してもろたやん?

  あれ、結局どうやったの?



夫「ああ、あの大手術な」


「そうそう。確か『ギターの気になる音の周波数とスネアドラムのアタックの周波数が被ってて、ギターだけ周波数を削ることは出来ない』って言うてへんかったっけ?」
※詳しくは前回記事をご覧ください


「よう覚えとるな。その通り、通常のEQ処理(周波数調整)ではオケ全体の周波数をいじる事になるから、

 ギターは削るけどスネアは残すっていうのは不可能やねん。

 ただ、俺がやった”ある事”でスネアのアタック音を残しつつ、ギターの気になる音だけを削ることに成功したんよ」



「なにその裏技的なやつ


「まぁ、いつもの仕事ではまずやらん作業やから裏技っちゃ裏技やな・・・

 これを解説する前にまず、音の定位(ていい)について説明しておくわ」





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・音の「定位(ていい)」とは? 


音の定位ってなぁに?(°Д°)」


「ざっくり言うと、曲を聴いた時に楽器が聞こえてくる位置のことやな。

 イメージやけど、シャルルの定位は下の図のようになっとる」




※「クラッシュ」はシンバルの1種です


上にいくと高い音(周波数)で、左右は聴いた時にどの位置で聞こえるかってことね」


「せやな。この事を定位って言うんやけど、これは曲ごとに色んなバリエーションがある。

 一般的には、ドラムやベース、歌は真ん中。それ以外の楽器(ギター、ピアノ、ヴァイオリン、笛など)は左右に分かれているケースが多いで」



「なんでギターとかピアノは左右で、ドラムやベースは真ん中なの?」


「結論から言うと、全部歌のためや

 歌は当然真ん中で鳴ってて欲しいもんやねんけど、歌の音域(周波数)とギターやピアノ等の音域は被ることが多いねん。

 

 やから、歌と被りそうなパートは右か左、もしくは左右両方に振り分けることが多いな。

 この辺の話は『MS処理について』という記事に詳しく書いてるから、それを見て欲しい。

 ・・・で、ドラムやベースの低音は、歌声と被ることはほぼ無いから真ん中におってもええわけや」



「なるほど。定位の事はわかったけど、これが裏技と関係してるの?」


「関係ありまくりやで。次は俺が実際にシャルルでやった処理について解説していくな」




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・なりやまさんがやった「裏技」とは?


「さっき定位の話で言うたとおり、シャルルではスネアは真ん中、ギターは左右の位置で鳴っとるよな?」


「そうやな」


「やから、俺はまずオケのトラックをコピーして2つ作って

 片方は真ん中の楽器だけ音が出るようにして、もう片方は左右の楽器だけ音が出るように設定したんや。

 そして、左右の楽器だけ鳴っているトラックの方で、気になった周波数(2KHz~3KHzの間)を削ったんよ。

 トラック分けに関して図にすると、こんな感じやな」







赤枠の音だけ鳴っているトラックと、緑枠の音だけが鳴っているトラックを作ったんやね。

 ちなみに、この2つのトラックはどうやって作ったの??



以前の記事で取り上げた、MS処理をする時に使う画面(下図)を見てほしいんやけど、

 ここに真ん中と左右それぞれのゲイン(ボリューム)を調整するツマミがあるねん」







「1トラック目は、SIDE GAINのボリュームを0に設定・・・つまり真ん中に位置している音だけが出ている状態にする。

 ほんで、2トラック目はその逆、MID GAINのボリュームを0に設定してるんや。

 これで、1つのオケの音を”真ん中の音”と”左右の音”の2つのトラックに分けることができたわけや」



「2つに分けた後、何をしたんやっけ?」


ギターの音が入っている2トラック目の方で、2KHz~3KHzの間をEQで削る処理をしたで。

 これで気になったギターのチャキチャキ音が抑えられるし、スネアの音には影響しなくて済んだわけや」



「分離して削って・・・確かに”大手術”やなぁ


「俺が普段やってる仕事みたいに、パラデータ(楽器ごとに別々に入っているデータ)を使える状況ならまずやらん事やねんけどな(苦笑)

 あと、今回はスネアとギターの定位が違ったからこの方法が出来ただけで、どの楽器でもこれで解決できるってわけちゃうからな。

 そこは自分の編集したい曲をよく聞いて、あてはめられるか確認して欲しい



「確認する時は、必ずヘッドホンかイヤホンで聴いてな!(`・∀・´*)」




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ということで、今回はMS処理を応用したオケの周波数調整の裏技(?)をお伝えいたしました☆

エンジニアさんって、ほんとに手間暇かけて曲のクオリティを追求されているんですね・・・。

私もなりやまさんが普段どんな事をしていたのかそんなに知らなかったので、ブログを通して勉強させてもらっています(*^_^*)


・・・さて、次回からは「ピッチ(音程)修正」のコツと実例を使った解説をしていきますよ・・・(ガクブル

お楽しみに~♪