衆院選2021注目選挙区 | 大人のための政治教室

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いよいよ衆院選が公示されました。

 

今回は私が注目している選挙区について紹介したいと思います。

なお、候補者の詳しいプロフィールなどはこちらをご覧ください。

 

 

見方

選挙区名:選挙区の名前(選挙区のエリア)

候補者:候補者の名前(政党、前・新・元)数字は当選回数

 

 

選挙区名:埼玉15区(さいたま市桜区、南区、川口区の一部、蕨市、戸田市)

候補者:田中良生(自民、前4)、髙木錬太郎(立憲、前1)、沢田良(維新、新)

 

自民党の田中氏と民主党→希望の党の高山智司氏が2005年から激しく争っていた選挙区ですが、今回野党候補として出馬したのは立憲の髙木氏です。髙木氏は現職ですが、前回は比例単独候補で、名簿に名前は記載されていたものの、山川百合子氏の手伝いのみを行っていたため、自身の選挙戦は初めてです。

髙木氏は埼玉県議会議員の妻を持ち、旧姓は片山で、元々は専業主夫でした。

専業主夫から国会議員というプロセスに感銘を受けたので、注目選挙区に選ばせていただきました。個人的に応援している候補者の1人です。

 

 

選挙区名:千葉8区(柏市の一部、我孫子市)

候補者:本庄知史(立憲、新)、桜田義孝(自民、前7)、宮岡進一郎(無、新)

 

第四次安倍内閣でオリンピック大臣となった桜田氏と、野党統一候補となった立憲の本庄氏の事実上の一騎打ちです。

桜田氏は大臣就任中、同時にサイバーセキュリティ戦略副本部長であったにも関わらずパソコンやインターネットの知識に乏しく、拙い答弁が目立ち、批判の的となっていました。

野党は元々共産党の候補者と、れいわ新選組の太田和美元衆議院議員も出馬予定でしたが、太田氏は同日の柏市長選に出馬することを表明して衆院選から撤退、共産党の候補者も本庄氏の支持を表明して直前に降りたため、一騎打ちとなりました。

桜田氏は元大臣ではあるものの小選挙区で3回落選した経験があり、安泰ではありません。新人の本庄氏が元大臣を破って初当選できるでしょうか。

 

 

選挙区名:千葉13区(船橋市の一部、柏市の一部、鎌ヶ谷市、印西市、白井市、富里市、印旛郡)

候補者:宮川伸(立憲、前1)、松本尚(自民、新)、清水聖士(維新、新)

 

前回までは自民党の白須賀貴樹氏が3回連続で当選していましたが、度重なる不祥事によって離党せざるを得なくなり、今回は不出馬となりました。

前回比例で当選した宮川氏、自民党の松本氏、元鎌ヶ谷市長で維新の清水氏の三つ巴となる様子です。

白須賀前議員の影響がどれくらい出るのかが注目です。

 

 

選挙区名:東京8区(杉並区の一部)

候補者:石原伸晃(自民、前8)、吉田晴美(立憲、新)、笠谷圭司(維新、新)

 

一時期山本太郎氏が出馬を宣言しましたが撤退した選挙区です。

小選挙区制となって以来石原氏が8連続で当選していますが、石原家への逆風と、本人の自民党内での影響力の低下から、落選が危ぶまれています。

吉田氏は前回も立憲で出馬しましたが、その時は希望、共産、野党系無所属と野党候補が乱立した状況で石原氏との得票率を10ポイント差まで積み上げる接戦でした。

今回は野党での一本化も進み、吉田氏に勢いがあると見込まれますが、果たして結果はどうなるでしょうか。

 

 

選挙区名:東京9区(練馬区の一部)

候補者:山岸一生(立憲、新)、安藤高夫(自民、前1)、小林興起(やまと、元5)、南純(維新、新)

 

前回までは菅原一秀氏が3連続当選を果たしていましたが、選挙区での買収問題が発覚し、出馬資格を失いました。

菅原氏に代わって自民党から出馬するのは前回比例単独で当選した安藤氏、今年になってから東京9区での出馬が決まったのでやや遅れがあると見られます。

野党統一候補となった立憲の山岸氏は、2019年の参院選に東京選挙区で出馬し、惜しくも次点で落選しています。

小林興起氏はかつて東京10区で活躍し自民党→新党日本→国民新党→民主党と渡り歩き、その後も様々な小政党を結成しては離れてをくり返しています。9年間国政から離れており、その間出馬した国政選挙も大敗しているため、今回も泡沫候補でしょう。

山岸氏と安藤氏の事実上の一騎打ちと見られます。

 

 

選挙区名:東京10区(新宿区の一部、中野区の一部、豊島区の一部、練馬区の一部)

候補者:鈴木庸介(立憲、新)、鈴木隼人(自民、前2)、小山徹(無所属、新)藤川隆史(維新、新)、沢口祐司(諸派、新)

 

古くは小林興起氏の地盤であり、2005年の郵政選挙で小池百合子氏が刺客として出馬して以降は小池氏の地盤となります。

その後、2016年に小池氏が知事選出馬によって失職すると補欠選挙で小池氏の側近である若狭勝氏が当選、2017年の衆院選では若狭氏に代わって自民党公認候補となったのは2014年は比例単独の鈴木隼人氏で、鈴木隼人氏が当選、補選で若狭氏と争った鈴木庸介氏が2位、若狭氏は3位となり、共に落選しました。

鈴木対決となる東京10区ですが、前回は野党乱立で自民党の隼人氏が漁夫の利を得ましたが、今回は一本化されたので庸介氏にも十分チャンスがあります。果たして、当選するのはどちらの鈴木さんでしょうか。

 

 

選挙区名:東京15区(江東区)

候補者:髙田誠(日本第一、新)、井戸正枝(立憲、元1)、柿沢未途(無所属自民推薦、前4)、猪野隆(無所属、新)、今村洋史(無所属自民推薦、元1)、金澤結衣(維新、新)、吉田浩司(無所属、新)

 

前回は自民党から出馬した秋元司氏が当選しましたが、買収問題が発覚して有罪判決を受けました。

柿沢氏は立憲会派でしたが、10月4日の首班指名選挙で岸田氏に投票したことで会派離脱を表明し、自民党推薦無所属候補として出馬します。

井戸氏は2009年は兵庫1区から出馬して当選し、2014年は宮城4区、17年は東京4区から出馬して落選しています。今回も東京4区から出馬予定でしたが、柿沢氏の離反で立憲空白区となったことや、候補者調整の影響で15区に移動となりました。

自民の今村氏は秋元氏の後任として決まったため、活動期間はそれほど長くありません。

韓国人や中国人への差別発言を繰り返す髙田誠氏は、都知事選にも何度か出馬しており、ネット右翼に人気の候補者です。

 

候補者多数、本命不在という乱れた選挙区ですが、波乱は起こるのでしょうか。

 

 

選挙区名:東京18区(武蔵野市、府中市、小金井市)

候補者:長島昭久(自民、前6)、子安正美(無所属、新)菅直人(立憲、前13)

 

2005年から17年までは土菅戦争と呼ばれ、自民党の土屋正忠氏と元総理の菅直人氏の争いでしたが、土屋氏の代わりに、民進党や希望の党から自民党に移籍した長島氏が移ってきました。長島氏は前回までは隣の21区で活動しており、活動の長さでは圧倒的に菅氏に分があります。

武蔵野市、小金井市は1人区であった7月の都議選で野党候補が勝利し、リベラル色の強い自治体です。

ただ、最近は高齢の候補者が苦戦する傾向が出ており、高齢である菅氏も安泰というわけではありません。

 

 

選挙区名:新潟5区(長岡市の一部、小千谷市、魚沼市、古志郡、北魚沼郡、南魚沼郡)

候補者:米山隆一(無所属、新)、森民夫(無所属、新)泉田裕彦(自民、前1)、

 

泉田氏と米山氏はともに元新潟知事で、元知事対決になります。また、森氏は元長岡市長で、首長経験者3氏による争いとなります。

前回初出馬で当選した泉田氏も安泰とは言えず、野党各党からの支持を受ける米山氏との事実上の一騎打ちとなりそうです。

森氏は2016年の新潟県知事選に自民、公明の推薦で出馬し、米山氏に敗れており、森票が泉田票を削ることが考えられます。

 

 

選挙区名:長野4区(岡谷市、諏訪市、茅野市、塩尻市、諏訪郡、木曽郡)

候補者:長瀬由希子(共産、新)、後藤茂之(自民、前6)

 

自民党候補と共産党候補の一騎打ちは全国にありますが、共産党候補が勝つ見込みが最も高い選挙区が長野4区です。

前回の衆院選は野党が希望の党と共産党に分かれている中、どちらも27%の得票率を得ており、合わせれば過半数となっています。

信濃毎日新聞による情勢調査を見ても、後藤氏がやや優勢であるものの、接戦であることが予想されています。

後藤氏は岸田内閣で厚生労働大臣として初入閣を果たしましたが、共産党候補との一騎打ちで不覚を取るという番狂わせが発生するのでしょうか。

 

選挙区名:京都1区(京都市北区、上京区、中京区、下京区、南区)

候補者:穀田恵二(共産、前9)、堀場幸子(維新、新)、勝目康(自民、新)

 

京都1区も共産党候補が小選挙区で当選する可能性があります。

前回までは伊吹文明氏が連続当選を果たしていましたが、今回は引退を表明。

その伊吹氏と8度にわたる接戦で敗れてきたのが穀田氏です。

伊吹氏という強敵を失った穀田氏ですが、新たに出馬する勝目氏だけでなく、京都では一定の支持のある維新の堀場氏の三つ巴になりそうです。果たして、かつての日本の首都であったこの地を制するのは誰なのでしょうか。

 

 

選挙区名:広島3区(広島市安佐南区、安佐北区、安芸高田市、山県郡)

候補者:大山宏(無所属、新)、矢島秀平(NHK、新)、斉藤鉄夫(公明、前9)、玉田憲勲(無所属、新)、ライアン真由美(立憲、新)、瀬木 寛親(維新、新)

 

前回までは河井克之氏が連続当選を果たしていましたが、大規模な買収事件によって有罪判決を受けて失職。自民党は候補者擁立を断念し、与党からの出馬は公明党で比例単独候補として9回連続で当選している斉藤鉄夫が初めて選挙区に挑戦することになりました。

対する野党は立憲のライアン真由美氏に一本化し、河井案里氏が失職したことによる参議院再選挙で野党統一候補の宮口治子氏が当選した勢いを活かしたいところです。

前代未聞の大規模買収事件が起こった広島3区を制するのはどちらでしょうか。

 

 

選挙区名:大分2区(大分市の一部、日田市、佐伯市、臼杵市、津久見市、竹田市、豊後大野市、由布市、玖珠郡)

候補者:衛藤征士郎(自民、前12)、吉川元(立憲、前3)

 

小選挙区制度が始まって以降2009年を除いて常に小選挙区で当選してきた衛藤氏と、衛藤氏と3度議席を争ってきた吉川氏の争いとなります。

吉川氏は前回までは社民党の候補として党が獲得した唯一の比例の議席を得ていましたが、今回は立憲に移籍して最初の選挙になり、立憲に移ったことにより影響がどれくらい出るのか注目です。

前回は衛藤氏が過半数の票を集めて当選していますが、衛藤氏と吉川氏の票差は毎回縮まっており、80歳となり高齢批判も予想されることから、衛藤氏も安泰ではありません。

 

 

今回は、与野党一騎打ちや事実上の一騎打ちとなった選挙区も多いため、注目選挙区は多いですが、今回は以上の選挙区に特に注目したいと思います。