「ひこばえ」とは、木の切り株から、


わかい芽が生えてくることだと書いてある。


幼い頃に家を出て行った父親


職を転々としていた父親


お金にだらしない父親


突然死亡の連絡


それから父親の48年の空白の時間が、


明らかになっていく。


自分史を一冊だけ出版しようとした父親


友人の中学三年生の息子が学校で、


心室細動を起こして、突然死した父親は


主人公の同級生


主人公の石井洋一郎の職業は、


生命保険会社に入って、運用企画の部署で


長年過ごしてきたが、本社の中枢に残れず、


50歳で関連会社に出向した。


介護付き有料老人ホームの施設長


この職場でも、老人間のさまざまな


問題が起こる。


今度入居してきた、一見真面目な老人


酒が入るとトラブル続きで、職員に


嫌がられている。


高卒で大手証券会社に入り、その会社が、


倒産してしまう。


息子は御三家の有名な学校から、


東大理科一類に入った。


息子は完全に父親を見限ってしまった。


そういうまた別の父親の人生


主人公の母の言葉


「嫌な思い出があっても、そっちの方が


ぎょうさんあっても、ええことも悪いことも


ひっくるめて、ひとはひとなんよ」


死とは、人生とはを考えさせられる。