近い将来、我が国は超高齢社会を迎えます。医療費を含めた社会保障費の増大は、確かに悩ましい問題です。生涯現役を合言葉に、元気なお年寄りが増えて欲しいと切に願います。

 

 

 今週17日は敬老の日でした。私事ですが、例年月の祝日前後に帰省の際には、今年古稀を迎えた父と母に、必ず漢方薬を届けます。

 

 さて、中国 後漢時代の漢書霍光伝という歴史書に

「 焦頭爛額 (しょうとうらんがく) 」という言葉が登場します。

 

 火災が起きた際、頭を焦がし、額がただれる程の救出劇は、誰もが為せる業でなく、非常にドラマチックです。医療に置き換えれば、重病患者に対し手術や特効薬など先端医療駆使し、患者側も痛みに耐え治療に専念します。

 

 

  一方で一見地味ですが、火災の予防計画を、綿密に組み立てる仕事もまた存在します。我々も同様、一人一人の体質を把握し、未病の内に芽を摘み取り、大病に至らしめない。そんなフォローが出来れば、それもそれで素晴らしいと事だと私は思います。

 

癌その他、大病を発症後できるフォローも勿論有りますが、こじれる前に、出来れば早めに軌道修正を図りたいものです。食事・運動・睡眠を中心とした、規則正しい生活習慣と併行し、予防医学の見地から、漢方薬や養生の発想は、大いに役立ちます。

 

漢方発祥の地では、伝統医学として人々に浸透し、漢方薬を服むこと、養生することが、ごくごく当たり前の習慣であります。人任せにせず、出来るだけ自分の健康は自分で守る。日本にも少しずつ、そんな当たり前の習慣が根付いていってほしいと願い、啓蒙活動の一環として、公津の杜イトーヨーカ堂「やさしい漢方教室」を始め、間もなく6年を迎えます。