予告編を何回も観てて「すごい映画」と無意識に思っていたからか、観終わってすぐは「まぁこんなもんかな」程度の感想でした。
アカデミー賞は取らないだろう、的な(;^^)ゞ
もちろん映像は綺麗(3Dで鑑賞)でした。
でも後でレビュー見ながら考えてると、宗教的なバックグラウンドが有るのと無いのだと感じ方が違うようだという事が分かりました。
もちろん日本人が感じるよりも作品中に登場するような宗教を分かっている人の方がより共感出来そうな気がします。
簡単に言ってしまえばトラは「様々なものの象徴」として描かれていて、それは恐怖だったり、悲哀だったり、憐憫だったり、状況によって変化してます。
さらに「パイとトラの関係」は「人間と神の関係」を表しているようです。
この関係性を念頭に置いて観ると、この作品が理解しやすくなるような気がします。
でもなんといっても驚いたのはCGだというトラちゃんの出来の良さ。
3D鑑賞だったせいもあるかもしれませんが、CGだと知っていたのでそれを確認しようという目で観ていたにもかかわらず、「見破った!!」というところは有りませんでしたf^_^;
なんでも「ナルニア国物語」のライオンを製作した会社が腕によりをかけて製作したトラだそうです。
余談ですが、超映画批評の前田さんが「トラがCGでなかったら撮影2日目から主演男優の方をCGにしなければならなくなる」と書かれていたのには笑ってしまいました(ノ∀≦。)ノ☆
オフィシャルサイトを見れば紹介されてるんですが、興味深いのがトラの名前「リチャード・パーカー」に関するシンクロニシティです。
エドガー・アラン・ポー唯一の長編小説「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」に登場する、食べられてしまう船員の名前がリチャード・パーカー。
小説発表の47年後、実際に起きたミニョネット号事件で他の船員に食べられた少年の名前もリチャード・パーカー。
う~ん、不思議(。-(ェ)-。 )
ちなみに「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」の結末は曖昧な感じになっているそうです。
それを聞くとこの映画のラストも不思議な気がしてきます。
そういえば主人公の名前「パイ」も円周率の「Π」として考えると「終わり無く続く無理数」というのは「終わり無く続いていく命や宗教、人間の本質の探求など」を象徴しているように思えてきます。
原作も有るようですが、深読みすればするほど、解釈も色々出来て面白い映画だという事が分かりました。
映像は綺麗なので深く考えずに「トラとの漂流物語」として観ても普通に楽しく観れます。
とりあえず観てから、気になるところが有れば後で調べていくとさらに楽しくなる気がします( ^ω^)
※オフィシャルサイト