フリーレンとフラーレン | ひふみのへや ~narimasu-hifuka~皮膚科専門医の葛藤雑記帳〜

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皮膚科専門医(皮膚診=ひふみ)です。日々の診療で患者さんたちから学んだこと、主に「肌」・「皮膚」(ときどき「推し」)をテーマに綴ります。溢れる情報に溺れそうな時代ゆえ、信頼性の高いサイトも紹介します。
必要に応じ加筆/訂正することがあります。

こんにちは。

 

フリーレンは 

1000年以上生きている

しかし外見は少女のような

エルフ族の魔法使いです。

 

 

 

 

 

 

フリーレンとよく似た名前の

 

フラーレン

 C60

 

という名前の美容成分があります。

 

以下、出典 

からの抜粋

および 補足・改変して

記載していきます。

1960年ごろから 

その存在が予言されつつも発見にはいたらなかった分子で、

1985年に

宇宙空間の再現実験をしている際に

偶然発見されたそうです。

最初に発見した学者たち

ハロルド・クロトー(英)

リチャード・クローリー(米)

ロバート・カール(米)

らは1996年にノーベル賞を受賞しています。

(発見より10年以上前に、少なくとも2名は

 其の構造がイメージできていたらしい。すごい!)

 

 

 

60個の炭素原子で構成される「フラーレンC60」は

サッカーボールのような形

をしています。

 

その形状が「ジオデシック・ドーム構造」

という球状のドームに似ていることから

これを考案した

建築家のリチャード・バックミンスター・フラー

にちなんでその名前がつけられたと言われています。

 

 

フラーレンは特徴的な形から様々な分野で研究されおり

医薬品の分野ではHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の特効薬としての可能性が期待されたり

テクノロジー分野ではエンジンオイルや有機薄膜太陽電池の材料などにも使われるなど

大活躍の様子…

 

美容成分として注目され始めたのは

1990年代に入ってから。

 

科学雑誌「Science」の中で

フラーレンの抗酸化力の高さ

が紹介されたことをきっかけに、

国内でも化粧品の原料としての

開発が盛んに。

 

(フラーレンにはもともとは

 水に溶けにくい性質があるため

 化粧品への応用は難しいかったのですが

 さまざまな研究により

 水に溶ける高分子(PVP)で

 フラーレンを包む「ラジカルスポンジ®」

 が開発されました。

 これによってさまざまな化粧品成分に

    配合できるようになり、

 フラーレン配合化粧品が誕生しました。)
 

抗酸化力とは

酸化の原因である

活性酸素を除去したり、

その働きを抑えたりする力

のこと。

 

肌が酸化すると

シミやしわ、肌荒れ、乾燥など

さまざまなトラブルや老化が進む原因

になります。

抗酸化力を持つ美容成分として有名なのは

ビタミンCビタミンEですが

フラーレン抗酸化力

ビタミンCの172倍

とも言われています

 

また、

ビタミンCやビタミンEは光に弱い

ですが

フラーレンは紫外線に強く、影響を受けないので

紫外線に弱いビタミンCやビタミンEと

フラーレンを一緒に使うと、

紫外線による酸化からそれらを守る働きがある

こともわかっています。


また、抗酸化作用11時間以上持続するため

朝、フラーレンが配合された化粧品を使用すると

夜まで肌を酸化から守ってくれる効果

が期待できます。

 

まるで魔法使いのようですね!

フラーレン。

 

フリーレン

と間違いそうになるのも

無理はない。。。か?