妄想カフェ-2 長文注意!ベートーヴェンは何科医?  | ひふみのへや ~narimasu-hifuka~皮膚科専門医の葛藤雑記帳〜

ひふみのへや ~narimasu-hifuka~皮膚科専門医の葛藤雑記帳〜

皮膚科専門医(皮膚診=ひふみ)です。日々の診療で患者さんたちから学んだこと、主に「肌」・「皮膚」(ときどき「推し」)をテーマに綴ります。溢れる情報に溺れそうな時代ゆえ、信頼性の高いサイトも紹介します。
必要に応じ加筆/訂正することがあります。

みなさまこんにちは。

妄想の時間です。

 

大好きな作曲を

1人だけ挙げよ

 

といわれたら

 

ベートーヴェン

 

他にも

好きな作曲家は

おりますが

1人しか選んではいけない

のならば

ベートーヴェン先生

ラブ

 

友達にしたら最強!

敵に回したら最凶⁈

 

もしも

ベートーヴェンに信用してもらえたら!

他の誰に信用されるよりも

ラブ嬉しいラブ

 

真面目一徹に見えるけれど

実は少しズルいところも

ありそうなベートーヴェン

そういうところも含めて

好き!

 

・・・

そんなわけで(?)

超大好きな

ベートーヴェンが

医者だったら何科医?

について

妄想を繰り広げたいと思います

 

そのためには まず

お祖父ちゃんの代まで

遡らなくてはなりません

 

・・・

 

おじいちゃん

幼少期から

近所では秀才として有名

都市部の有名難関医学部に

入学できる力はあったにも関わらず

地元の国立(公立)大学の医学部に入学

大学に残れば教授になれたかもしれない

ほど頭脳・人柄ともに優れていたのですが

地元の医療に身を捧げたいという思いで開業

赤ん坊から年寄りまで

夜中に叩き起こされても

どんな病気でも嫌がらずに

丁寧に診察してくれるので

地元の人の信頼が厚い

みんなから尊敬される医師だった

 

一方

 

2代目(お父さん)は

上の兄弟が幼くして亡くなり

唯一元気に育ってくれた子

ということもあり

うんと甘やかされて育ちました

 

都会の私立医大を卒業後

楽聖…じゃなかった

学生生活を満喫

立派なボンボン医師に

成長爆  笑

 

地元に戻り「若先生」に就任

医者としての力量は

「大先生」(おじいちゃん)

には遠く及ばず

昼から飲んだくれている

こともあり

診察室はまるで

「安い居酒屋のような臭いがする!」

「若先生と書いて

"ばかせんせい"と読む」

なんて

口さがないご近所さんに

囁かれる始末

 

ベートーヴェンは

祖父の代から続く

開業医の息子

そして

大の”おじいちゃん子”

 

 

将来は絶対

おじいちゃんのような

みんなに信頼される医者に

なりたいなあ

お父さんのようには

ならないぞ!

 

わずか2歳の頃から

固く心に誓います

 

 

3歳の頃

大好きだったおじいちゃんが

突然亡くなります

 

お父さんは

ベートーヴェンに

英才教育を強い

名門私立

エスカレーター

小学校を

お受験させるも

呆気なく沈没

地元の公立小学校

に入学

 

少し風変りな子で

唐突に音楽室に駆け込んでは

ピアノやマリンバや

果てはホルンのケースまで

引っ張りだして

周りが見えないかのうような

猛烈な集中力

で楽器を奏でます

 

しかも

その演奏は

超小学生級。

周りも呆然

というより

ベートーヴェン君のために

みんな静かに鑑賞しましょう

なんて不文律が。

 

勉強は得意教科

と嫌いな教科との

落差が激しく

 

成績表にはいつも

「学習面でのムラが気になります。」

なんて書かれちゃったり…

でもそんな些細な事を気にする

ベートーヴェン君ではありません

 

そんなベートーヴェン君は

中学高校とも公立に進学

 

高3の夏期講習のときに

突然恋に落ちます!

当然勉強に身が入らず

告白も実らず。

 

実家の医院の

経済状況は振るわず

のみならず

多剤耐性菌に起因する

敗血症で

妻に先立たれた父は

更に飲んだくれ

まさかの無期休院に。

 

そんな環境の中

尊敬するおじいちゃんに憧れる

われらがベートーヴェン君は

一浪の末

地方の国公立大学

に入学

よかったね!

拍手 

 

はじめての親元を離れての生活。

休院した医院を

自分が立て直さなければ…

という強い責任感を秘めながらも

自分の人生も大切にする

ポジティブな

ベートーヴェン君

 

学食メニューは片っ端から試し

気に入ったらあとは

そのメニューを律儀に愛し続けます。

 

月曜日は焼きそば

(ハッピーマンデーで

学食がお休みになる

ことが多い月曜日は

好きな物リスト5番め)

 

火曜日はオムライス

(授業が一番忙しいので

噛まずに食べられるから)

 

水曜日はハンバーグ定食

(週の中日の贅沢

&一番好きなメニュー)

 

木曜日は

焼き魚定食

(本当は魚は苦手だけど

小さいころおじいちゃんから

「魚を食べると

頭がよくなるよ…」

と言われた

記憶が刻まれている)

 

金曜日は

カレーライス

(オムライスに同じ)

 

バイトは

お金持ちのお子さんの

家庭教師と

その町では雰囲気のよさげな

Bar

開店前など

店主の機嫌のよいときは

店のピアノを

弾かせてもらえて

結構うれしい

(はず)

 

土曜日は街中に繰り出し

喫茶店巡りをします。

これまた片っ端から冒険し

ようやく見つけたナンバーワンの

喫茶店の名は

『エリーゼ』

 

店主ご自慢のコーヒーは

種類も豊富で

添えられるお菓子も

ベートーヴェン好みなのです

がそれ以上に好みなのは

お店の看板娘さん

 

いつもの席に座り

いつものコーヒーを頼み

エリーゼの姿を

確認できるだけで

幸せ

 

基本的に苦学生

なので

たまに奮発して

サンドウィッチセットを

頼むこともありますが

エリーゼに見惚れているので

味はさっぱりわかりません

 

・・・

 

こんな風に

一般教養課程2年を過ごし

学部に上がると

猛烈勉学に励みます

 

授業や実習で

たびたび感銘をうけ

友人たちと大いに語ります

・・・

ある時

他の大学から来た

天才外科医モーツァルト先生の

特別講義を聴講し

よし、俺は外科医になるぞ!

と決意を新たにします

 

月日は流れ

6年生になった

ベートーヴェン君は

花形の心臓血管外科

に入局することを決意

 

国家試験に臨みます

1日目手ごたえあり

飲みに行っちゃいます。

帰りは大雨ですが

酔っていてずぶ濡れでも平気

風呂にも入らず

眠りこけます

医師国家試験2日目の朝

高熱を出しますが

お尻に坐薬解熱剤をつっこみ

何とか試験を受け

帰宅後は死んだように眠りました

 

翌朝

熱は下がりましたが

なんということでしょう!

耳の具合がおかしいのです…

みぎの耳と左の耳とで聴こえ方が

違うのです。

 

不安なまま

国家試験の合格発表の日を迎え

めでたく合格し

医師としてのスタートを切るのですが

耳の具合はよくなるどころか

悪化するばかり

ようやく重い腰をあげて

耳鼻科を受診すると

完全に元の聴力がもどるのは

難しいとの診断が…

 

医師を辞めなければいけない

わけではないのですが

責任感の強いベートーヴェン君ですから

完璧な聴診ができないのなら

自分は医師として働くことは

できない…

とショックをうけます

 

早々に医局に退局届を提出し

失意のうちに

医師への道をあきらめ

…きれずに

しばらくの間

散歩をしながら

思索にふけります

 

これから自分はどう生きるか

大好きだったおじいちゃん

やさしかったお母さん

の顔を思い出し

突然閃きます!

 

そうだ

細菌学の研究をしよう!

お母さんの命を奪った

細菌感染症

細菌学教室に入って

細菌の研究をしよう!

まさかの細菌学!

基礎医学者に

キラキラキラキラ転身キラキラキラキラ

(妄想している私が一番驚いているびっくり

 

やる気スイッチの入った

ベートーヴェン君に勝てる人

手、挙げてください

はい

いませんね

ウインク

 

細菌学教室に入局したベートーヴェン君は

めきめきと頭角を現します。

 

細菌を扱うときの

こだわりは半端ではありません

無菌操作

(菌を培地へ塗り広げたり)

温度管理

データの扱いも

厳格なルールを厳守し

なんでも自分でやらなけりゃ

気が済まないのです

 

つぎつぎと論文を発表し

ベートーヴェン君は瞬く間に

ベートーヴェン”先生”に。

 

実験の待ち時間には

やはり厳格なスケジュールに基づいた

散歩

 

研究で頭をフルに使うとお腹がすきますが

無駄な時間はありません

研究室に一番近い

学生食堂の決まったテーブルで

頼むのは

「ホットサンド&ホットドッグセット

コーヒーはホットのアメリカン砂糖多め

金曜日だけはミルクありで」

 

食堂のおばちゃんは

心得ています

 

ベートーヴェン先生が訪れる時間が近づくと

テーブルに予約席の札を置きます

 

騒々しい学生がいるときは

「ほらほらあんたたち、

ベートーヴェン先生が

いらっしゃるんだから、

行った行った!」

と追い払います

(注:こんなおばちゃん、いません)

 

そんなおばちゃんの気配りを

ベートーヴェン先生は

案外(?)気づかず

「いつもの、お願いします」

と注文し

今日の研究について

ブツブツとつぶやきながら

席に着きます

 

トレイのの右側にホットドッグ

半分ほどの位置で斜めにカット

フライドポテトはクリンクルカット一択

(ある時期、学食で取り扱う冷凍ポテトフライが

シューストリングだったときは

「こんなのじゃがいもじゃない!」

とつぶやきながら

食べている姿を目撃した人は

少なくない)

 

マスタードとケチャップは別添え

 

ホットサンドは

斜めにカットし上に置く分は

もちろん具は手前を向くように。

 

食堂のおばちゃんは

対ベートーヴェン先生ルールを

遵守します

 

いちど、バイトの子が

うっかり並べ方を間違えたとき

ベートーヴェン先生は

「なんなのだこの並べ方は!

響きが悪すぎるじゃないか!」

(筆者注:研究や論文についての発送・推敲について

ベートーヴェン先生はしばしば”響き”と表現したらしい)

と癇癪をおこした

(八つ当たりした)

ことは有名!

 

だから

食堂のおばちゃんは

細菌学教室の秘書さんに

毎月のベートーヴェン先生の

スケジュールを確認する

ことにしています

 

食べている途中で

アイデアが浮かぶと

食べていたことも忘れ

研究室に大急ぎで戻ります

残った分は

ドギーバッグに入れて

おばちゃんかバイトの子が

あとで秘書さんに届けます

(冷めたサンドウィッチが実は大好物

だという噂も?)

 

・・・

こんな風に

いつも目の前のことに

夢中なベートーヴェンは

周囲の人々に

温かく見守られ

細菌学の研究に一生を捧げ

人類を救う

9種類の抗生剤の

発見・開発に携わり

多くの人々を

幸せにしましたとさ

 

めでたし めでたし

口笛

 

・・・

 

まさかの 基礎医学者とは!!