かぶれ とは?  かぶれ=接触皮膚炎① | ひふみのへや ~narimasu-hifuka~皮膚科専門医の備忘録〜

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必要に応じ加筆/訂正することがあります。

 

かぶれ=接触皮膚炎(接触性皮膚炎) とは?

 

 

「かぶれ」を 漢字で書くと?

「気触」

かぶれる」は「気触れる

と書きます。

 

 辞書で 引いてみると…

 

かぶれ

外界から直接皮膚に有害な刺激を受け、

急性炎症を生ずるもの。接触性皮膚炎。     

      (日本国語大辞典第3巻) 

 

かぶれておこった皮膚病

      (新明解国語辞典第6版)

 

かぶれること(三省堂国語辞典第8版)

 

かぶれる

漆、膏薬などの成分に冒されて、

一種の皮膚病になる。皮膚がまける    

      (日本国語大辞典 第3巻)

 

〔「気触れる」の意〕

漆・薬品などの成分から強い刺激を受けて、

ひふがただれたりしてかゆくなる。まける。

       (新明解国語辞典第6版)

 

うるし・こうやく(膏薬)の成分が

はだについて、ただれたり、

ぶつぶつができたりする。まける。

       (三省堂国語辞典第8版)

 

昔は空気を伝わって 

肌に影響を与える“何か”

が 肌に触れることによって

肌が赤くなったり、ブツブツする=まける(負ける)

と思われていたようです。

    

古代の人々は、なかなか 勘が鋭い!

 

かぶれの原因になるものは どんなものがあるのでしょうか。

極端に言えば…“肌にふれるすべてのもの” が

かぶれの原因になる可能性がある、と言えます。

 

かぶれのタイプによって 大きく3つに分けられます。

 

①刺激性のかぶれ=刺激性接触皮膚炎

 だれにでも、起こる可能性があります。

 (かぶれの)刺激が強い物質に触れると 

 症状がでてきます。

 同じ物質でも 濃度の違い(消毒薬とか塗り薬とか

 によって 症状が出たり出なかったりします。

 

②アレルギー性のかぶれ=アレルギー性接触皮膚炎

 特定の物質にアレルギーをもつ人にだけ

 生じるかぶれ。 

 

③光や紫外線が関連するかぶれ=光接触皮膚炎

 原因となる物質+紫外線 (二つの条件が重なる)

 と生じるかぶれ。

 原因となる物質だけでは 症状は出ません

 

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かぶれる②

ある事物の影響、刺激を受けてすっかり

その風(ふう)に染まること。

感化や影響を受けて、一時熱心になること。

(日本国語大辞典 第3巻 )

 

〔何かの影響を強く受けて〕第三者から見て望ましくない状態になる。

(新明解国語辞典第6版)

 

文明開化の頃は「西洋かぶれ」なんて言葉も。

使われていましたね。

 

(接触性皮膚炎は 近頃は接触皮膚炎と記載

 されることが多いです。)