ほうかしきえん=蜂窩織炎 | ひふみのへや ~narimasu-hifuka~皮膚科専門医の葛藤雑記帳〜

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皮膚科専門医(皮膚診=ひふみ)です。日々の診療で患者さんたちから学んだこと、主に「肌」・「皮膚」(ときどき「推し」)をテーマに綴ります。溢れる情報に溺れそうな時代ゆえ、信頼性の高いサイトも紹介します。
必要に応じ加筆/訂正することがあります。

 

ほうかしきえん=蜂窩織炎

 

 

主に すね や  などが

赤く 熱をもって 

腫れたり むくむ

 

歩いたり 動かすと 

痛みが増す

 

などの症状が

数日のうちに急速に広がります

 

熱も上がります平熱+1~1.5度(およそ38度以上))

ビックリマーク水ぶくれができることもあり、帯状疱疹との区別が必要となります。

 (皮膚の質感が下肢と顔は異なるため、テカテカ、つやつや感は

  ややおとなしめ)

 

主に

黄色ブドウ球菌(おうしょくぶどうきゅうきん)

鉛筆日本細菌学会 (jsbac.org)  ←ブドウ球菌のおススメ説明はこちら

 

という細菌が小さな傷から侵入し、

血液の中に入り体の中で菌の数が増えることが

原因です。

 

ときに溶連菌(ようれんきん)、

鉛筆溶連菌感染症の原因 (taisho-kenko.com) ←溶連菌のおススメ説明はこちら

 

ビックリマーク中でも人食いバクテリアの異名をもつ 

 劇症型A群β溶連菌 

 による蜂窩織炎は数時間で超急速に症状が拡大し、

 脂肪よりさらに深い筋肉を覆う膜にまでおよび

 致死的な壊死性筋膜炎をおこすことがあります。

 壊死性筋膜炎になりやすいのは

 もともとの体の状態が感染に弱い状態

(持病や治療による免疫機能低下状態、糖尿病など)

 の方です。

 

「蜂窩織(ホウカシキ)」とは

「蜂巣(ホウソウ)」とも言い、

皮膚のやや深いところ(真皮)から

脂肪組織を含む皮膚の深い層のこと。

昔の人が「皮下の脂肪組織って、

”蜂の巣”に似ているね!」

と思ったからこの名がついた…らしい。

 

 

薬患部を冷却絶対安静

(下肢に重力をかけないようにする)、

抗生剤(細菌を殺す薬)を

内服入院して点滴ぽたぽた落ちる注射)

7~10日程の治療が必要です。