はい、今回は

北山猛邦さんの「『アリス・ミラー城』殺人事件」です。

 

とある孤島へ向かう船上

そこには数人の人物が乗っていた。

彼らはそれぞれ同じ目的のために招待された島へと向かっていた。

 

島の名は江利ヵ島、そしてそこに建つ「アリス・ミラー城」

城の扉をたたくと中から声がする。

「ようこそ『アリス・ミラー城』へ」

「そして女王様のお客様に、三の三十倍の歓迎を」

 

城にはすでに集まっていた者も含めて何人もの探偵が揃っていた。

そして違うモノも同じ数で揃っていた。

ソレは今いる城にいる人数と同じチェスの駒

白い駒が10個

黒い駒が1個

 

まるで有名なあの小説を模している様に見えた。

 

一人がそのチェスをぶちまけた。

「こうしておけば犯人が本気なら散らばった駒を元に戻しておくだろう。本気で何か企んでいるか分かる」

そして駒を一つ手に取り

「ついでにこれは隠し持っておく」

 

夕食時、招待主からあるルールが語られる。

「『アリス・ミラー』を手に入れられるのは、最後まで生き残った人間のみ」

『アリス・ミラー』、それこそが探偵達がそれぞれ依頼されて探しているもの

 

そして次の朝を迎えた時、元の位置に戻されたチェスの白い駒が一つ消えていた・・・。

 

 

この小説を読んでいる時に妙な違和感を感じました。

何かおかしい、言葉に違和感がある。

それはこの物語が完結した時に解消されました。

この作者はあるモノを隠しているのですが、それがフェアなのかアンフェアなのかは意見が分かれるかもしれません。

ただ、私がいくつも読んでいるこれ系の小説の中では、わざと過ぎるがフェアよりのものだと思います。

他の小説だと

いやそのセリフおかしくね?

そんな行動どうしてとるの?

と作者の、物語の都合で人物が動くことがありますが、この小説はちゃんと登場人物たちが考えて動いて、そこにうまく隠しているところが良かったのだと思いました。

 

しいてご都合主義を感じた点を挙げるなら、犯行動機がアレなことですかね。

 

 

ある意味「そして誰もいなくなった」のオマージュ的作品ですが、あの小説とルイスキャロルの「アリスシリーズ」を読んでいる人はぜひ読み比べてみて欲しい小説です。