タイ商務省宝石詐欺等苦情相談窓口センターへ10時のアポイントを取った。
が、どうやってそこへ10時に行けばいいのやら…
宿の人に聞いてみた。(商務省の住所等の情報は「情報収集篇」を参照してください)
僕「ノンタブリのこの住所へ行きたいんだけど…」
宿スタッフ「そこへここからタクシーで行くと300バーツくらいかかるわよ。とても高いわ。ノンタブリはバンコク市内ではないから」
ちなみにですが、バンコクからカンボジアのシェムリアップへ行くバスの代金は350バーツです。
宿スタッフ同士で相談し合ってくれている。
で、話がまとまって
宿スタッフ「ボートでノンタブリまで行って、そこからタクシーに乗ればいいわ」
カオサンの近くにはチャオプラヤ川が流れており、川を上流へ遡ればいいとのこと。
約束の日の前日に、ボートの始発はいつなのか?どの位の頻度で行き来しているのかをチェック。
朝6時半から始まり、20分間隔で来るらしい。カオサンからノンタブリまでは30分くらいで行けるようだ。
これなら10時に着けるな。
朝、7時半頃のボート乗り場へ。
通勤、通学のために地元の人がたくさん乗船している。
乗船料は15バーツ。
チャオプラヤ川を遡る!
ノンタブリは終着点だった。30分くらいで到着。
時間に余裕があったので朝飯。
それから地元の人に、この住所へ行きたい!と伝えるとタクシー運転手に説明してくれた。
タクシーに乗ること10分。50バーツくらいで商務省に着いた。
その中のどこに苦情センターがあるか警備の人に聞きまくり、10時前に到着。
電話で話していたポンさんという人とアポイントがあるのですが…
と伝えると、ポンさんが来てくれた。
電話越しだと、ナヨナヨした感じがあって、閑職のおっさんなんだろうなと思っていたら、30代後半くらいの爽やかな人だった。
面談が始まった。
僕「要求としては、全額返してもらいたいです」
ポンさん「全額取り戻したいなら、あなたは裁判所に行って相談しなければなりません。この店と交わした契約書(70%で買い戻しを明記されている)にサインをしてしまっている。これを覆すことはできない」
僕「全額を取り戻すのが難しいことはわかりました。でも、それに近しい額を取り戻したいんです。そのために僕は店と交渉します。手を貸して頂けませんか?」
ポンさん「わかりました。これから店の人間をここに呼び出しますので、交渉してください。そして、90%を最低基準に交渉してください。もし運が良ければ90%より上のパーセンテージを引き出せるかもしれない」
僕「全額戻せ!と主張して最終的な妥結額として、90%、あわよくばそれ以上を」
ポンさんが店に電話をして、11時半に店の人間が来ることになった。
ポンさん「向こうの建物のフードコートがあるからそこでご飯を食べてきたら?」
相手だって、すんなり首を縦に振るわけはないから長丁場になるだろう。腹が減っては戦はできぬ、だ。
結局店側が来たのが14時過ぎ。
これも巧妙に考えられていて、役所が閉まるのが16時。役所だって、訴え側だって、日をまたぐのは嫌だから、この額でいいじゃないかと諦めさせるように仕組んでる。
店の人間はおばちゃんだった。
僕「僕の要求は全額を取り戻すことです。この契約書は公平ではない。納得できません」
おばちゃん「この契約書に70%で買い戻すと書いています。だから、70%で買い戻します」
僕「あなたの会社はこの宝石を日本に持って帰り売れば二倍の額になると言って、僕を騙しました。この契約書は認めません」
おばちゃん「店の人間があなたに何を言ったかは知りません。だったら何であなたはサインしたの?」
僕「知らない?あなたの会社でしょう?何で知らないんだよ?サインしたのはあんたらが騙したからです」
これのやり取りがずっと続く…
契約書には70%と書いているから、完全に僕が不利。交渉と言うより、駄々をこねてるだけです。
おばちゃん「私は店のアシスタントです。ボスからここまでの条件ならいいと言われています」
そう言って、80%と書く。
僕「NO!NO!NO!全額!」
おばちゃん「あなたが全額を返せ!と言うなら、ここではなく法廷で話しましょう。私はいいですよ。弁護士でも雇ってください」
僕「ここで話の決着をつける!」
おばちゃん「なら、どのくらいならいいの?提示しなさい」
僕「全額!」
この辺でポンさんが一度入ってくる。
ポンさん「どれくらい戻してほしいの?」
僕「全額です!」
ポンさんとおばちゃんがタイ語で話をする。多分、おばちゃんがどうにかしてよ、って言ってると思う。
おばちゃん「3%は銀行手数料、7%は国に納めているから、90%でもうちには利益がでない。利益がでないと経営が成り立たないのはあなたもわかるでしょう?」
僕「そんなの知らない」
おばちゃん「これでは話している意味がないわ。私は帰らせてもらう」
僕「今日、終わらせる」
おばちゃん「じゃあ何%?」
この辺で%を下げるか。
97%と書く。
おばちゃん「話にならないわ」
と、席を立つ。
僕「どこに行くんだ?座れ!」
おばちゃん「トイレに行くだけよ」
おそらく、ボスに電話して相談したんだろう。
これは90%も難しいだろうか?
ポンさんも助けてくれる素振りもないしな。
おばちゃんが戻ってきた。
おばちゃん「それでどれくらいならいいか、決めた?」
93%ならどうだ?と書いてみる。
おばちゃん「ダメです。こちらのラストコールは85%」
それからズルズル下げてしまい、最終防衛ラインの90%に到達。
おばちゃん「ここは16時で閉まるの。あなた一人でここに残ってやるつもり?」
不利な状況は変わらない。そこで7%が国に納めている税金なのかとポンさんに聞いてみた。
ポンさん「それは本当ではないです」
僕「また嘘ついたのか!」
おばちゃん「あなた、90%でいいと言ったわよね。90%でいいわ」
嘘を指摘したのが功を奏したのか、いきなり柔らかな態度に出たおばちゃん。どうやら向こうの最終防衛ラインも90%だったようだ。
ここで、観光警察に持ち込んだ人たちの結果を思い出す。
80%で妥結して、10%ずつ店と警察とで分けるとあった。店側としては警察だろうが苦情センターだろうが取り分は変わらない。
店側が用意してきた、内容証明に金額、日付、サインを記入。
カード会社に振り込む証拠の用紙ももらう。
きちんと金額や日付は確認。間違ってはいない。
金額が帰ってくるのが確認できたら、メールで苦情センターへ連絡し、それから店に宝石が返る、という段取り。
交渉終了。一時間半くらい経過していた。
圧倒的に不利だったけど、なんとかなったな。90%が返ってくるなら、金額としてはパチンコに負けて凹む額くらい。それでも悔しいんだけど。
ポンさんにお礼を行って、苦情センターを後にした。
終わってから、アドバイスをくれたUさん、日本大使館にもお礼の電話を入れた。
一安心した。
交渉の証拠



