全てが…涙でしかない。 | 妊娠の神様に嫌われた女

妊娠の神様に嫌われた女

妊活中の成果はいつも天文学的に悪い方の数字を引いてしまう。受精•着床不全、初期流産、子宮奇形…そして染色体異常の我が子を中期中絶。そんな私に不妊治療を続ける資格はあるのだろうか。

毎日涙が出る。
苦しんで当たり前だし、もっともっと苦しまなきゃいけないんだとも思う。


風の気持ちいい季節。

窓を開けると、子供達が走り回って遊ぶ声、プラスチック性の車のカラカラ音、赤ちゃんの泣き声が聞こえる。


つい最近まで、そんな声達が可愛らしくて仕方がなかったし、どれほど温かく優しい気持ちになっていたか。


今は…ただただ涙が出る。


何度も心が折れた不妊治療中でも、小さな子供を見て泣けることや『見たくない』『聞きたくない』なんて思わなかった。


「私もいつかは…」と、
憧れの目で見ていた。


窓を閉め切って、テレビをつけると子供の特番。もう本当に嫌になる。テレビの電源を落とす。

夜になって再びテレビをつける…赤ちゃん生誕の短い番組。『誕生日』の歌が流れる。嬉しそうなご夫婦と、命の源溢れる赤ちゃん。耐えられない。


どんどん卑屈になっていく自分の変化が怖い。いつか噂の『不妊様』になるのではないだろうか。


旦那とはギクシャクしている。

心の温度差がありすぎて、うまく接することができない。

泣くことが偉いとか、わかりやすく落ち込むだけが正しい訳じゃない。


これが男と女の差なのかもしれないけど、どうしても許せないほどの溝を感じてしまう。


「体調どう?」って聞く割に、退院した次の日に、あふれかえった食器を洗う嫁を見て、なんとも思わないのだろうか。

テレビに赤ちゃんや子供が写ると、涙を拭う嫁に気付きつつ、チャンネルを変えないってどういう感覚なんだろう。

「洗うから置いといて」と言っていた洗濯物はいつ洗うの?結局、まだ痛む骨盤やお腹を押さえて干してたたんだよ。

命を消した…殺人を犯した2日後に『仕事』と称して飲みに行く神経がわからない。


…優しくない。
…罪の意識を感じない。


旦那を見てそう思う私は被害者面をしているのだろうか。悲劇のヒロインを演じて、陶酔しているだけなんだろうか。


全てが…涙でしかない。