平日の夜のことです。
前回のやきそばの会(よろしければリンクを貼り付けておきますのでお読みください)から2週間しか経っていませんが、U様が再び豪華なホームパーティーにお呼びくださいました。
今回の食事会は超高級酒のグラスを傾けながらフク(ふぐ)をメインに数々の料理を堪能しましょう。というコンセプトとの事で、恐縮しながらも相当浮かれた感じで平日夜に都内某所にある豪邸に向かいます。
今回の訪問メンバーは
千代田区某店のスーパー麺打ち助手さん
品川の謎美女さん
僕
の4名。
時間ピッタリに豪邸に到着すると、U様が気さくないつも通りの笑顔で迎えてくださり、念入りに全身を消毒してから1階のガレージにお邪魔します。
今まで毎回超高級車を様々な角度からパシャパシャしていましたが、ふと気になっていたのが「超高級車のキーってどんなんなっているんだろう」です。
U様にお願いしてクルマのキーを手に取らせてもらいました。
右からポルシェパナメーラターボ、ランボルギーニアヴェンタドールアニヴェルサリオ、マクラーレン720Sのスマートキーになります。
総額1億円以上の超高級車のキー達が僕の手のひらに。スゴい事です。
まずは黄色の限定色(ジャロ・マッジョ=5月の黄色とう意味)がまぶしいランボルギーニアヴェンタドールアニヴェルサリオ(V12気筒ノーマルアスピレーション6500cc720ps)のキーから。
ちなみにこの超高級車は世界で100台限定で生産され、日本への割当は7〜8台程度しかなく、新車価格が約5500万円、オプションやらなんやら付けて乗り出し価格が7000万円くらいになる選ばれし者しか所有出来ない夢のような1台です。
その社名ロゴ入りのスマートキーはずっしりとした重厚感があって、金属部分のクロームメッキもとてもキレイな感じです。
写真では上手く撮れませんでしたが、上部にランボルギーニのロゴプレートが埋め込まれていました。
イメージですが、小型の手榴弾ぽいような(ランボルギーニはフォルクスワーゲングループに属していて、アウディと近い感じのキーなので分かる人も多いかも)手にフィットする感じです。
シザーズドアを跳ね上げてコックピットに潜り込み、3秒足らずで時速100キロに到達するという非日常の世界へ連れて行ってもらいたいモノです。
続いてはマクラーレン720S(V8ツインターボ4000cc720ps)のスマートキー。
ちなみにマクラーレンはイギリスのレース屋さんで超高級ロードカーも生産していて、この720Sは最新で最高級の1台。値段は新車価格で約3500万円でございます。
専用のレザーケースに入れられたキーは光沢のある樹脂製(カーボンだったかも)で中心にはマクラーレン社のロゴが描かれています。
逆側にも大きくロゴが入れられていて、メタルと樹脂の組合せがソリッドで何となく近未来的なイメージでカッコ良いなぁ。
ロックを解除してバタフライドアを跳ね上げてみました。
ドアが天井部分まであるので、乗り込む時にアヴェンタドールより自然な感じ(頭を下げるコトなく)でコックピットに収まることが出来るので、そこはスゴく良いポイントになっています。
カーボンとアルカンターラが多用されたコックピットはレーシーさとラグジュアリーさが上手く融合されていて、可動式の液晶ディスプレイもしかり、差し色のオレンジも実にすべてがカッコ良い。最高です。
そしてポルシェパナメーラターボ。
排気量4.8リッターのV8ツインターボ500馬力というエンジンを積んで、2トン近い車体をスーパースポーツカーのように走らせるU様普段使いのクルマ。
新車価格が2500万円となりますが、この3台の中で1番改造費をかけていて総額不明のファミリーカーとなっています。
ちなみに以前のU様のファミリーカーはカイエンターボだそうなので、ポルシェディーラーからすれば他の超高級車を保有しながらもポルシェに乗り続けてくれるというスゴく良いお客さんなのでしょう。
そんなU様が本日身につけている宝飾品類はネックレス指輪ブレスレット時計とすべてダイヤモンド。
コレだけの数のダイヤモンドを宝石屋さん以外で見ることは無いのではないかと思いました。
そんなこんなでクルマ達に一旦別れを告げて2階へ上がります。
2階の広大なリビングルームのアイランドキッチンでは奥様が既に料理の準備をしてくださっています。
また、部屋の片側に8人がけくらいの大理石のテーブルが2つあるのですが、その1番端から部屋全体を見たのが上の写真になります。
麺打ちの助手さんが奥様に挨拶と丁寧なお礼を伝えているのがバッチリ撮れました。
脚の長いスツールが備え付けられていて、まるでバーカウンター。生活感が僅かながらあるような、全く無いような感じでとてもスタイリッシュです。
今回は総勢5名なのでコンパクトに手前のテーブルでお食事を頂きます。
ヘネシーリシャールやルイ13世を始めとして数々の高級酒とバカラのグラスが並んでいます。
そして2本あるワインセラーの1つ。コチラも高級だったり希少価値が高かかったりと、いわゆるプレミアムなお酒が沢山並んでいます。
U様が「今回30年モノばかりを飲もうと思って用意したんです」と並べてくれたのが上の5本。
右からロイヤルサルート21年はシーバスリーガルを販売するシーバス社の最高級酒。スコッチウィスキー。
オタールXOはナポレオンより高級なコニャック。
ヘネシー・ナポレオン。コニャック。
カミュ・ナポレオン・ドラム型。コニャック。
カミュ・ナポレオン・ブック型。コニャック。
30年の時を経て本日開栓される予定の希少なオールドコニャック達は一旦置いておいて、まずはシャンパンで乾杯しましょうと用意して頂いたのが下の1本。
クリュッグ・グランド・キュヴェ。
「シャンパンの帝王」と呼ばれ、世界中に「クリュギスト」という熱狂的なファンを持つプレミアムな1本。
ちなみに初めて口にするので、興味本位でお値段を調べてみました。
税込みで35,000円。6名(奥様もほんの少しだけ飲まれる)で頂くので1人6,000円・・・。
ホストであるU様が優雅に注いでくださいます。U様の本日のお召し物はTシャツやパンツ共にディーゼルの高級ライン「ディーゼルブラックゴールド」のモノをさり気なく。
いよいよシャンパーニュの帝王と初対面。
雰囲気と事前情報で既にもう洗脳されているような気がするのですが、クリュッグはすこぶる気品ある色合いで香りも素晴らしく芳醇です。
本日もどうかよろしくお願いいたします。
クリュッグの芳醇な香りと深みあるコクと共に頂くのは、奥様が腕によりをかけて作って頂いたオードブルセット。
ほんのり甘くて爽やかなトマトのコンポートは夏の季節にピッタリで、真ん中のホタテの貝柱にイクラを乗せた1品はホタテの甘さと歯ごたえとイクラのプチプチ感がベストマッチしています。
そして水茄子の浅漬けは瑞々しく塩加減も丁度良いという。
左上のブラックオリーブが乗り、酸味と旨味が上品なバランスを保っている自家製ドレッシングをかけたサラダもスゴく旨い。奥様スゴいです。
クリュッグが当たり前のようにすぐに空いてしまったので、続いて皆さんご存知の高級シャンパンの代名詞ドン・ペリニヨン2008年が登場。
ドン・ペリニヨン2008年の価格もついでに調べてみました。この価格を調べて行くスタイルは庶民的すぎるけど分かりやすくて良いなぁ。。。
このドンペリはざっと4ヶ月ほど前に浅草の高級老舗寿司店「寿司清」でU様の生誕祭が開催され、4人で5〜6本(多分僕1人だけで2本近く)空けてしまったという思い出があります。
ドン・ペリニヨンはクリュッグに比べるとキレがあって後味がスゴく爽やかなイメージで、例えるならばスゴくキレのあるパンチを放つボクサーのよう。
クリュッグは1発KOのハードパンチャーのイメージで、もちろん両方共にとても美味しいのですが、どちらを選ぶかは人それぞれ好みによるような気がします。
しかし、このような高級シャンパンを飲み比べ出来る瞬間なんて人生でそうそう無いだろうな。と思ったり。
続いて娘さんがポン酢を配膳してくださって・・・
ふく(フグ)が登場。
この絵皿が透けるフグ刺しはU様が長年懇意にしている専門店から取り寄せたモノで、その専門店は漫画「美味しんぼ」の中の「究極のしゃぶしゃぶ」で取り上げられたお店でもあるそうです。
熟成が進んだ天然モノのとらふぐの刺し身をリフト。箸が見えないようにリフトするのがポイントなんです。なんてちょっとだけ語ってしまいました。今思い出すととても恥ずかしい。
とても柔らかい牛肉はワリシタの甘さよりも脂が持つ牛肉本来の甘さの方が勝っている感じで、コレは永遠に食べ続けて行けるくらい旨いぞ。と。
そしてまたすぐに空いてしまったドン・ペリニヨンの次に用意されたお酒が・・・
ジャック セロス ブリュット ロゼ。です。
年間2,000本しか生産されないというめちゃくちゃ希少価値の高い珠玉のシャンパーニュ。もちろん期待を裏切らずに庶民的感覚を出しまくって値段も調べてみました。
49,500円・・・。3本のシャンパンで総額10万円を余裕で超えてしまいました。
開栓するU様の左手首にはダイヤモンドを散りばめたロレックスのフラッグシップモデル・オイスターパーペチュアルデイデイトが眩しく輝いています。
このジャックセロスはキンキンに冷やした状態でグラスに注ぎ、温度の変化と共に味わいが徐々に変わって行くのを楽しむシャンパンだそうで、もちろん聞いた通り忠実にゆっくり味わって飲んで行くことにします。
ピンクゴールドの上品な色合いがとても良い感じで。
辛口のロゼなので厚みのある果実感とキリッとしたスパイス感とでも言うのでしょうか。そのような味わいが冷えている時には感じて、徐々に温度が高くなって行くと甘みやまろやかさが出てくるというというとにかく「スゴいシャンパン」でした。
「すき焼きはどんどん食べてくださいね」とU様と奥様に勧められて、厚かましく2回もお代わりさせてもらいました。
プロ御用達のフランス製のストウブで炊いたこともあって、お米の1粒1粒がツヤツヤに光っている新潟県産コシヒカリもめちゃくちゃ旨い。
だんだんとお腹の容量が満たされてきたような感じが否めないのですが、U様が「肉料理には赤ワインを合わせましょう」とワインセラーから取り出したのが・・・
オーパスワン2015年 。歴史は浅いながらも瞬く間にワインの最高峰に登りつめ、世界中にファンが存在するカベルネ・ソーヴィニヨンのカリフォルニアワインです。
名前だけは知っていて、いつか飲みたいな。と思っていたワインが目の前に。
お値段ざっと70,000円。6人で飲むのでこの1本だけで1人1万円を超えてしまう計算です。
専用のワイングラスにU様がトクトクと注いでくださって。
アメリカでは間違いなく最高で、世界でも最高峰のワインを味わえる機会になんと本日巡り会いました。ありがとうございます。
フルボディで香り高く、それでいてとてもフルーティーな味わいで、しなやかさと上品さをまとったイメージで余韻も素晴らしい。
ワイン愛好家が一生に一度は飲みたいと言う理由が何となくですが分かるような気がしました。
そして「ビーフシチューを持ってきて」とU様が奥様に伝えて配膳頂いたシチュー。メインその3です。
まず存在感のあるニンジンがスプーンでスッと切れるほど柔らかく煮込まれていて、とても甘くて美味しい。
そしてU様が「この肉は何処の部位か当ててみてください」と。
脂身が少なくてほぐれて行く感じがヒレ肉かと思ってそのように答えましたが、残念ながら不正解。
魚と答える(確かにちょっとツナっぽさも感じないでも無い)方や、何故か「タンです!」と自信満々に答える方もいたりしましたが、もちろん全員ハズレで、正解はなんと豚の肩バラ肉でした。
確かにほぐし豚の食感と言われればそうなのですが、最初に「ビーフシチュー持ってきて」の1言があると、もう脳がその思考に陥ってしまいます。
推理小説で言うところの「ミスリード」に完全に引っかかった感じですね。ちょっとだけ悔しいけどとても楽しい。
僕はそんな会話をアルコールが少し回った頭で聞きながら、もうこの駄舌はきっと一生このままなんだろうな。と悟ったりもしました。
怒涛のようにメイン4のてっちり(フグ鍋)が用意されました。
手前の黒い部分にはコラーゲンたっぷりの「くちばし」で、歯が付いているのが天然モノの証。
フグはその強靭な歯で噛み付く性質があるので、養殖モノは他のフグを傷付けぬように歯をキレイに抜かれてしまっています。
ちなみに数が激減している天然モノのトラフグと養殖トラフグの値段の差は5〜6倍ほどあると言われるんだとか。
大海原を自力で泳いで引き締まった身を持つ天然モノのフグは、新鮮さが命と言うワケでは無くて、ある程度切り身になってから熟成期間が必要となるそうで、そこに料理人のウデが介入する要素があるとのことでした。
湯引き(なのかな)もめちゃくちゃ旨い。
かなり高級酒ばかり呑んだ気がしますが、最初に並べられたこの30年モノのコニャックはまだ開栓されていません。
フグも野菜も沢山あるので健康にもとても良さそう。そしてフグの骨部分からきっとスゴい良い出汁が出ているのでしょう。
鍋島の文字が鏡文字になっている「裏鍋島 隠し酒」が出されました。
この珍しいプレミアム日本酒もとても良いお値段です。
何で「隠し酒」で「裏」という文字が使われているかと言うと、通常日本酒は絞る時に安定している真ん中あたりの澄んでいる部分を瓶詰めするのですが、裏鍋島は最初に出てくるフレッシュな部分と最後に出てくる濃い部分を混ぜて瓶詰めしていると言う、杜氏の遊び心とウデの良さが詰まったまさしく「裏」の1本なのだからです。
毎年瓶詰め出来る数量と状態にバラつきがあるみたいなのですが、逆にソレがスゴく人気になって鍋島自体の評価も上げたという希少価値の高い有名なお酒。
甘さと雑味が織りなすハーモニーがとても面白い味わいになっていて、ふぐちりがどんどん進みます。
関東独特な食文化かも知れないちくわぶも頂きます。
豆腐やエノキやネギもお代りしてモリモリ食べて。
僅かなホロ苦さがスゴく旨い春菊も頂きました。
ふぐ鍋の〆その1はお餅。上品で旨味のあるフグ出汁が出まくっていて、このままでもスゴく旨いのですが、引き締める意味合いで昆布塩を少しだけ追加して頂きました。
もうお腹のキャパシティには殆ど余裕がありません。
ここで最初から登場していたオールドコニャック達がテーブルにやって来ました。
新旧カミュの飲み比べ。この時は味の違いがハッキリ分かった気になっていましたが、多少酔っていたみたいで、今となっては記憶があいまいになってしまっています。
実にもったいない事をしたなぁ。もっとお酒を呑んでも記憶が薄れないように鍛えなくちゃなりません。
〆その2はふぐの旨味が沢山でた雑炊と漬物各種(キュウリ・ごぼう・みょうが)です。
コニャックを少し舐めながらお漬物をポリポリ食べて、雑炊もふぐの魅力を最後まで感じさせるモノで美味しく完食となりました。
もうお腹パンパンですこぶる幸せ気分です。
スペシャルサンクスは途中で登場してからずっと我々を嬉しそうに心からもてなしてくれるお犬様。
とても癒やされました。
夜もどんどん更けてきてお開きの時間が近付いて来ましたが、天空の高原いちご奥日光「なつおとめ」を使ったデザートタイムに突入です。
とてもゴツいミキサーは圧倒的パワーを誇る人気メーカー「バイタミックス」のモノで市場価格は10万近くするのかしら。
高級ミキサーでミキシングしたからなのか、めちゃくちゃ自然の甘さとフレッシュ感が出ていてスゴい上品で美味しい自家製スムージーになっていました。
時間はあっという間に過ぎて、もう23時に近付いていたので、若干急ぎ気味でコーヒータイムを迎えます。
ウェッジウッドのカップで頂くコーヒーのお供は「横浜かをり」のレーズンサンドと大阪の「粟玄」の「和洋」です。
「横浜かをり」のレーズンサンドはしっとりとしたクッキーに上品な甘さのクリームとレーズンが挟まれていてコーヒーとバッチリ合いまはした。
そして「粟玄」は大阪住吉に1軒だけあるお店で百貨店等には全く出店していない、土日休みのローカルな有名店。
「和洋」はアーモンドのキャラメルおこしなのですが、その味わいが高く評価されG20の世界各国の首脳へのお土産にも選出されたというお菓子です。
時間が無いながらもその美味しいお菓子を味わって食べて、幸せいっぱいでホントにご馳走さまでした。と。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまい、名残惜しくもこの辺りでお開きに。
今回の食事会はとにかくひょっとすると死ぬまで1回も口にすることが無いようなレアでプレミアムなお酒ばかりを、奥様が腕によりをかけて作って頂いた旨い料理と共に心行くまで呑ませてもらう。というスゴい経験をさせて頂きました。
帰りの電車に乗るといつも現実世界に引き戻されて、竜宮城に行った浦島太郎の気持ちが少しだけ理解出来るような気すらしています。
U様、奥様、ご家族様、ホントにありがとうございました。
またこのような機会がある事をすこぶる楽しみにしながら日常生活を生きて行きます。
最後に1点。麺打ちの助手さんですが、期待を裏切らずにキッチリ高級酒と雰囲気に酔っておられて、最後の方はソファーであまり動かずに何となく反対側にいるお犬様と1対になっている感じになっていたのが印象的でした。