お立ち寄りありがとうございますニコニコ

 

 

利尻島まで雄熊が泳いで渡って、集団登下校する様子がニュースで流れてます。

 

夕食時に熊の糞までモザイク無しに流れて、ちょっとオーバーじゃないの?なんて

 

思ってましたが、この「罷嵐」を読んだらその怖さが分りました。

熊の上に四をつけてヒグマだそうです。

 

内容紹介(裏表紙より)

北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現! 日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音……。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。

 

 

 

東北から入植された人達の苦労が最初にあります。

 

虫の多さが凄い、凄まじい!雪解けと共に大量の蚊とアブが人や馬にたかって

 

まともに農耕が出来ない上に、夏は糠蚊(ヌカカ)の大量発生で辺りが霞んだそうです。

 

ヌカカを調べたら、とても小さくて目や耳などに入り込み余りの痒さに卒倒したとか(゚Ω゚;)

 

画像お借りしてます。

 1mm位かな?これは防ぎようがないですよね。

 

とどめは蝗(いなご)が作物を食い尽くして糞だけ残して去っていきます。

 

その土地を捨て国から新たに指定されたのが六線沢でした。虫も少なく清流の近く。

 

15家族が移り住みます。

 

 

羆の登場を知っている私はドキドキです。ジョーズの映画みたい>< ホラーのような

 

感覚で読みました。最初は軒先のトウモロコシが食い荒らされます。

 

そして惨劇は突然やってきます。東北の人は熊はツキノワグマを想像するそうで、まさか

 

肉食とは思わないですよね・・・最初は夫の帰りを待つ若い母親と幼い息子。

 

そしてその二人の通夜の最中にも人間を食べにやってくるんです。

 

妊婦(お腹の赤ちゃん共に)、子供達が喰われたり襲われたり・・・

 

この通夜の席の惨劇は恐怖としか言いようがありません。駆けつけた村人が骨を咀嚼する

 

音を聞いていたのです。熊は女性の味が好きなようで空き家に入っては女性だけを

 

狙っていて、不在だと着物などを引きちぎって暴れたんです。怖すぎです(;´Д`)ノ

 

 

そしてこの物語はここから始まるのです。

 

村人が駐在所に行き、旭川の第七師団(ゴールデンカムイでおなじみ)の出動を

 

願いますが、事態を軽く見ていた警察は近隣からの集まりでなんとかしようとします。

 

役人の対応の遅れ(←いつの世もだね)と口ばっかりの男達、ほんと役立たずです(^▽^;)

 

烏合の衆と対比してアイヌ猟師や熊撃ちの勇気が際だっていました。

 

この熊撃ち爺さん、どうしてもゴールデンカムイの二瓶さんのイメージなんです。

 

野田サトル先生はこの「羆嵐」もきっとお読みになったのでは?と思ってしまいました。

 

 

私が共感したのは熊よけの為に薪をどんどん燃やす場面.。夏の間に作った薪を沢山

 

燃やしてしまうと冬はどうなるのか?って心配する所。

 

北海道の日本海側は雪が多いので冬は薪を作れない=凍死ですからね(゚_゚i)

 

 

 

主人公と言えるのは唯一冷静な区長さん。 猟師の助けなんぞ不要!と威張る署長を

 

無視して酔いどれ熊撃ち爺さんに依頼。この爺さんがくせ者で面白いわ~

 

 

あとがきは倉本聰さん。これも面白かった。当時7歳でこの事件に遭遇した大川さんという

 

お爺さんと六線沢に行くのです。 ジープに乗って行った先は静寂の森。

 

偶然にも事件のあった12月9日で背筋がゾッとしたそうです。

 

大川爺さんは犠牲者一人につき10頭と決めて復讐のために狩りをしたとか。

 

 

ここまで来ると熊も気の毒ですよね・・・野生の王国だったのに人間が入り込んで

 

好き勝手するんだから。(パンダだって熊なのに~)

 

やはりアイヌの人の様に頭数を減らさず共存する方法が一番だったと思います。

 

羆の凶暴さが押し出されてるけど、その裏側に人間が厚かましくてどれだけ非力か

 

読み取れます。体一つで生きている動物には叶いません。

 

そういえば別の熊の小説読んでました。 よければ 邂逅の森 感想 コチラ(*゚.゚)ゞ

 

 

熊って凄く減ってますからね・・・ムツゴロウさんが「犬を使って遠ざければいい」と

 

仰ってました。対策は広葉樹林と犬でしょうかね^^

 

 

 

ここまで読んで下さりありがとうございますくま