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今朝は寒かったけど、天気が良いのでなんとか春らしい(今更でしょうが)陽気です。
さて、飛行機の中で読みました。マタギの話です。
平成16年に直木賞・山本周五郎賞を獲った作品です。「山賊ダイヤリー」を予約したらお勧めの
本に、邂逅の森が載ってまして(全然違うけど)とりあえず読んでみました。
明治・東北のマタギを描いた骨太作品です。
あらすじ・・・秋田の貧しい小作農家末っ子富治は親の後を継いでマタギになりますが
地主の娘と恋に落ち、村を追い出され鉱山で働きます。 しかしマタギの血が騒ぎ再び山へ。
といった感じです。昔の日本って貧乏だったのね>< 山間の農家は熊やカモシカを撃って
毛皮を売り、熊の胆(い)を売ります。 熊の胆は金と同じくらいの価値があり、飢饉や入り用の
時には大助かりです。 マタギには山への信仰と動物への感謝、戒律が厳しく染みついてる為
獲りすぎる事が無いんです。でも第一次世界大戦等、戦争が起きる度に毛皮の需要が伸び、
素人も山で猟をするようになります。 ニホンカモシカは絶滅寸前になりましたよね・・・
この他鉱山での様子など明治~大正にかけての地方の暮らしが丁寧に描かれております。
富治さん、モテるンですよね~ 不器用なんだけどね其処がまた女性には受けるのかな?
私のイメージでは松山ケンイチさんっぽいかな(^∇^)
富治さんを巡る女性二人がまたまた魅力的です。ちょっとねそちらの描写も野性的ですよ(*v.v)。
何て言いましょうか、昔は大らかだったんですね~ 電車で読むときは背後に注意です・笑
この方、描写力が凄くて、冬山の厳しいけど澄んだ空気とか動物と対峙したときの緊張感とか
息を止めて読むって感じです。解説の田辺聖子先生が「読み手に、自分のそれとは全くちがう
人生を体験させてくれる」と絶賛されておりますが、まさに自分が富治になって猟をしている
感覚になります。
鉱山の生活もドラマチックですよ~切ない話もありますし読者を飽きさせないです。
クライマックスがまた凄いんです!ネタバレに成らないように書きますが、動物が減りこのまま
マタギを続けるか否か山の主(大熊)に訊くことにするんです。って質問じゃないよ~(;^_^A
決闘です。タダの熊ではありません。頭が良いんです! この辺りシートン動物記が好きな人は
お勧めです!ドキドキします。熊にも頑張って欲しい。でも富治さんは読み手の私だから
死んだら困るし・・・・まさに死闘でございます。(゚_゚i)
山賊ダイアリーで「とらばさみ」の事を書いてありましたが(今は全面禁止です。)
手足を切られた動物たちの事を考えると悲しくなります。 なぜ腕の良いマタギが辞めていくのか
その辺りも考えないとな・・・と。
富治さんの目を借りて、明治時代を531ページ体験イタチました。
これは映画化難しいだろうな~ N○Kなら作りそうだわ。でもロケがキツイか^^;
ここまで読んで下さりありがとうございます