お立ち寄りありがとうございますニコニコ

 

 

抜けるような青い空です。あとひと月もすれば白鳥たちがやって来ます。

 

 

さてさて、コミカライズされて秘かに人気だという「君たちはどう生きるか」の原作を

 

読みました。優しく、高潔な作品でした。思春期に読んでたらな・・・と後悔です。

 

私などが今更の感想ですけど、紹介させて下さい。

 

1937年に出版された作品とは思えないくらいの瑞々しさです。普遍的な人間の理想像が

 

あるからでようか・・・タイトルから受ける印象とはちがって中身は読みやすいです。

 

主人公の愛称・コペル君は中学生。父を亡くし母さんとお手伝い、ばあやと4人で生活。

 

行ってる学校が帝一の國みたいな金持ちばっかりの学校です。親友の水谷君の父さんは

 

政財界に名だたる人物でお屋敷に住んでますし、もう一人の北見君の父さんは軍人。

 

仲良し3人に浦川君という豆腐屋さんの息子さんが加わります。(その話が泣けるんです)

 

 

冒頭、コペル君が叔父さん(母さんの弟で学生)と銀座のデパートから東京を見おろす場面

 

から始まります。霧雨の東京。小学生ながら人の営みを感じ取るコペル君。

 

子供って語彙や表現力が無いだけで頭の中では真理に行きつく思考をしてるときが

 

ありますよね・・・それが哲学だったり、生命や宇宙だったり・・・

 

その後、中学生・コペル君と叔父さんの手紙のやり取りで物語が進みます。

 

 

私が感銘を受けたのは4章「貧しき友」です。

 

浦川君は貧乏だし、授業中寝てばっかりなので一部の生徒に苛められてます。

 

コペル君は苦々しく思ってます。その辺りは割愛して、ある日休みが続く浦川君の家に

 

お見舞いに行ったコペル君が見たのは、店の手伝いを手際よくこなす浦川君の姿でした。

 

良いところの坊っちゃんコペル君が行ったことも無いような貧乏長屋には働く人たちの

 

活気があり、生活がありました。コペル君の良いところは貧乏を見下さない所です。

 

そして浦川君の事を叔父さんに手紙に書きます。その返事が本当に素晴らしいんです。

 

こんなブログでは書けないほど心温まる人としての正しい方向に導いてくれるような

 

素晴らしいお返事なのです。

 

哲学・天文学・経済学といえば堅苦しいけど、難しい話を子供でも分るように教えてくれるし

 

私のような大人が読んだら、感心し、そして我が身を振り返り、反省しきりです(>_<)

 

 

もう一つ教えられたのは、コペル君が謝罪せねばならなく成った時の話です。

 

叔父さんは謝罪するときには素直に反省し、その結果を求めてはいけない。と諭します。

 

謝って許して貰いあわよくば元通りになどと考えて謝罪しては駄目なのです。うわ~反省!

 

この教えを眉毛の形を変えただけの女性議員さんに教えてあげないとねw 

 

 

本の最後に吉野先生から書くに当たってのいきさつや時代背景などの説明があります。

 

やはり冒頭の霧雨の場面は戦争の足音があったせいでしょうか・・・

 

丸山真男氏による追悼文のような回想が30ページ以上あります。

 

親友だったそうで、切々とその思いを書かれてます。

 

 

話逸れますが、あとがきって本の印象を左右するし面白くて大事な物ですね。

 

以前又吉さんのあとがきに感動した記事を書きました→ よければ 又吉すごい!(*゚.゚)ゞ

 

 

話戻して、この解説や回想を読むと吉野氏の子供達へ託した思いが伝わります。

 

戦争前によくぞお書きに成られたと尊敬します。

 

 

コミックはレビューを見ると評価は高いようですね~

 

私は原作で十分満足しましたが、多くの人に知って貰えるなら良いかと思います。

 

実際、私もオススメコミックで知ったのですからσ(^_^;) エヘ

 

 

 

文章は読みやすいし、コペル君の感受性と洞察力、叔父さん・母さんの大人の優しさに

 

感心してばかりでした。

 

(気のせいかもしれないけど、活字が昔読んでた児童書っぽい感じがして懐かしかった)

 

説教臭いと反発する人もいるかもしれませんが、コペル君と友達の話だけでも楽しめると

 

思います。秋の夜長にいかがでしょうか┏( ^o^)┛

 

 

 

ここまで読んで下さりありがとうございます空