体と心は常に一体。
病は気から。活力があれば大した病気にはならない。
ため込む、開放しない、自閉し周りを捨象する心の持ちようが病を生む。

「病は気から」ということわざを聞いたり、「病は気からだよ」などと、実際に言われたりした事がある方もいるかもしれません。病気になって落ち込んでいる人に対しかける事が多い言葉ですが、果たして本当に「病は気から」起きるのでしょうか?本記事では、そんな疑問の絶えない「病は気から」ということわざから、「身体の疾患と精神のストレスの間の因果関係」について、それに関する実験やそれに基づいた治療法、ストレスをなるべくためこまない方法などについて、まとめて解説していきます。

1.病は気からの語源
「病は気から」のことわざの語源は中国とされており、「気」はエネルギーという意味で考えられています。
「病は気から」のもともとの意味は、身体に巡るエネルギーが足りなくなり、上手く巡らなくなると病気になるということでした。
しかし現在では、この「気」という言葉を気持ちとして考え、「気持ちが弱っていると病気になる」という意味で「病は気から」という場合が多いようです。
2.「病は気から」は科学的に証明されている
病気は気持ちの持ちようという意味で使われている「病は気から」は本当に起こりうるのでしょうか。
この「病は気から」に関する科学的な検証については、複数の実験が行われておりエビデンスがあると言えそうです。
2014年に報告されている、大阪大学の鈴木一博准教授率いる研究グループの実験では、ストレスや気分など精神的な作用が、免疫反応に影響するという事が証明されています。
身体には自然免疫の一つであるナチュラルキラー細胞(NK細胞)があり、体内から細菌やウイルスなどの外敵が侵入すれば、すぐに排除してくれます。がん細胞なども毎日少しずつ作られていますが、NK細胞によってすぐに排除されます。
3.病は気からのメカニズム
しかし気に病む問題が起きると、脳内に小さな炎症が起きます。この炎症が小さい内に対処できていればいいですが、対処しなければ大きなストレスとなって免疫機能が低下してしまいます。「病は気から」で機能が低下するのです。
そしてNK細胞の機能低下で風邪など感染症に罹患しやすくなり、またがん細胞を排除できずがんになるリスクが高くなってしまいます。
ストレスを減らしNK細胞を活性化させる事ができれば、免疫力は上がり病気を予防できます。NK細胞の機能を落として「病は気から」とならないようにするためには、以下の方法が効果的です。
ストレスをためない
腸内細菌を整え善玉菌を増やす
無理をし過ぎない
睡眠不足にならないようにする
規則正しい生活をする
よく笑う
4.気を病まないようにする方法① ストレスをためない
免疫を低下させ「病は気から」とならないようにするためには、ストレスをためず、規則正しい生活をし、よく笑う事が実践法となります。それぞれの実践法について、簡単にやりかたを説明します。
ストレスは万病の元と言われますが、それこそ「病は気から」の大元です。ストレスになる要因は個人によって違い、ストレスの解消法も違ってくるため、自分に合ったストレス解消法を見つける事が重要です。
仕事などの間にこまめに休息を取るようにするのは、ストレスをためない良い方法です。
5.気を病まないようにする方法② 規則正しい生活を送る
夜なかなか寝つけない、朝起きるのが辛いという方は、不規則な生活が原因かもしれません。考えごとをして眠れなくなり体調が崩れてしまうというのは「病は気から」であり、誰にでもよくあることです。
スマホやパソコンのブルーライトは、眠りを促してくれるメラトニンというホルモンの分泌を抑制してしまいます。夜更かしし、寝る前にスマホやパソコンを見る習慣は止めましょう。
また、食事を抜いたり、偏食をしたりするのも体調を崩す元です。
朝食や昼食を抜くなど夜から長時間食事を摂らなければ、血糖値が下がったままになるため、自律神経が乱れイライラしやすくなります。イライラは血圧を上げ、ストレスを作ってしまいます。まさに「病は気から」です。また必要な栄養が摂れない偏食も問題です。できるだけバランス良い食事を摂るようにしましょう。
6.気を病まないようにする方法③ 意識してよく笑う
笑うとストレス解消になり、免疫が上がると言われており、実際に医療の現場で笑う健康法が、取り入れられているところもあります。これは良い例えの「病は気から」です。
笑うと脳の血流が増え活性化されるばかりでなく、ストレスホルモンが抑えられたり、アドレナリンやドーパミンなどポジティブになるホルモンの分泌を促したりできます。
また、癌を抑制してくれるナチュラルキラー細胞(NK細胞)も、笑うと活性化され増える事が報告されています。笑顔になった時の表情筋の動きを頭が記憶しており、作り笑いで口角を上げるだけでも効果があるため、笑うという事を意識して1日にできるだけ多く笑ってみましょう。
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