物価の上昇、輸入停止、食糧自給率の低下、食品添加物、農薬…日本の食品問題は課題が山積みだ。そうなれば、安心安全で、おいしい食べ物を自国の中で供給・消費していける体制を国をあげて作っていくしかないのではないか?

しかし、「食料生産者は儲からない」そんな声も上がっている。なぜ儲からないのか?他の国はどうなっているのか?

●日本の食糧生産の問題は?

1.日本人の間違った「食料自給率」の考え方
「日本は国土が狭く、食糧生産には向かない」「食料自給率が低く、日本は食料生産の大半を海外に頼っている」そんなイメージを持つ消費者も少なくはないだろう。だかここにもからくりがある。

カロリーベースでは、カロリーの高い食材(たとえば穀物や食肉)を生産する方が食料自給率は高くなり、逆にカロリーの低い食材(たとえば野菜や魚)を生産しても食料自給率は高くならない。
しかし、これを生産額ベースに置き換えると、違った世界が見えてくる。一般に、カロリーの低い食材(野菜、魚など)の方が鮮度は短い傾向が強く、よって輸入よりも国内生産に頼る状況にある。つまり、思った以上に、我々の食卓は国内生産者のおかげで成り立っているのである。

数字に置き換えると、令和2年の食料自給率は、
生産額ベース   67%
カロリーベース  37% (一般的に報道される数字は「カロリーベース」)
と、大きく差が開いているのがわかる。「7割近く自給している」というのと「たった3割しか自給できていない」というのとでは印象も真逆。圧倒的に低い数字を見ると、消費者も生産者も活力が湧かないのではないか?

参考:深刻すぎる食料生産者の収入事情…なぜ儲からない? 流通システムの難点とは リンク

2.「流通システム」「経営規模」のジレンマ

工業製品と比べ、食料は商品が傷みやすく、そのため扱いを慎重にしないと傷がつき商品としての価値が低下してしまう。さらに、消費期限という時間的な制約が付きまとう。

しかし、日本は生産地と消費地が分離されており、人口が集中する都市圏では地価も高く、また生産に必要な大きな土地を確保しがたい結果、産地は都市圏から離れた場所に残る。各地に分散する生産者を迅速につなぎ、最適な消費地に送り届ける輸送機能が必要となる。

ただ、日本の食料生産者はまだまだ家族的経営を行う小さな生産者がほとんど。

例えば、農林水産省「2020年農林業センサス」によると、日本国内の農業経営体は約108万。そのうち、家族経営体は約104万で、経営体全体の約96%程度を占めており、日本で農業を営んでいる人々のほとんどはいまだに家族農業を営んでいると言える。

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参考:日本における家族農業の現状 リンク

 

玉手山クラブホームページ

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