もう何度も投稿しているし、講演でずっと言い続けているけど、何度でも書こうと思う。

日本の食料自給率は限りなく0%。化学肥料はほぼ輸入に頼っている以上、国内で栽培していると言っても、自給とは言えない。

有機肥料とて輸入穀物由来が多く、この状況では、輸入が止まれば日本は食料を生み出せない。

食料安全保障の観点から、輸入元からの輸入が絶たれても、他の国からの輸入に切り替える術を国は模索して来た。

しかし、現実に事が起きれば、どの国であろうが自国を守るために輸出には消極的になる。だからこそ、本来の食料安全保障は、自給率を高めることでなければならない。

だが、残念なことに、肥料や農薬に頼る日本の農業は、無肥料や無農薬で食料を自給するという手段の技術革新には全く見向きもしなかった。

今、肥料の輸入不安が明確になりつつあり、下手すれば、この先肥料が枯渇する可能性が出て来た。

いや、日本の農林水産省も商社も全農も、それほど柔(やわ)ではないと信じたいところだが、こうした危機になると、火事場の泥棒的な中間業者が暗躍する事がある。

それにより価格の高騰が起きる。肥料や農薬の価格は、事実鰻登りであり、それは現実でもあるのだ。

このままだとエンゲル係数は大変なことになる。好きなことにお金は使えなくなり、とりあえず生きていくための食料の確保に、収入の多くを費やす必要が出てくる。

食料不安が顕著になると、多くの企業や人々は、利益を確保しようとして、ハイパーインフレを呼び込んでしまう可能性すらある。そうなれば円の価値は益々どん底になり、更に輸入は厳しくなる。

それを指を咥えて見ているわけにはいかないだろう。だからこそ、国に働きかけもしてきた。しかし、全く何も進まないまま現在まで来ている。

いよいよ、自己保身しか術はない。自分の食料は自分で確保するための手段を見つけておくことだ。

その方法はなんでもいい。とにかく食料を作れる土地と種があればなんとかなる。無肥料無農薬でも食料が作れるのは、我々が既に実証済みである。

草を刈り、その草を堆肥にして土壌に埋め込む。木は燃やして草木灰でばら撒く。残渣も全て土に戻し、虫は追い払い過ぎないように気をつけ、畑の水を外に逃がし、そして種を蒔く。

それだけでいいのである。難しい技術や知識がなくても、種を信じて蒔けばそれでいいのである。

それが本当の意味での"自分のための食料安全保障"なのではなかろうか。もう冗談で済ませる時期はとっくに過ぎている。

※JIJI.com記事参照のこと

農畜産業で資材高騰 ウクライナ情勢波及―生産者に負担