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医師、保坂隆氏の心に響く言葉より…

《人生最大の危険は、自分のことだけ考えること》

(アルフレッドアドラー:フロイトの最初期の弟子で深層心理学の巨頭。くる病にかかって身体障害を経験したのをバネに医師に。すべての人間に普遍的に劣等感があるとした)

ゆううつ?
そんなものはきっと2週間で全快しますよ。
処方箋?
それは、どうしたら他者を喜ばすことができるかということを毎日考えることです。

他者のことに関心を持たない人は苦難の人生を歩まねばならず、他者に対しても大きな迷惑をかけます。
人間のあらゆる失敗は、そういう人たちの間から生まれるのです。
扱いにくい相手とうまくつき合うには?

簡単なこと。
相手がなんとか自分を優秀に見せようとして、躍起(やっき)になっていることを念頭に置くことです。
そしてその観点から相手とつき合ってみるのです。

アルフレッド・アドラーは、温顔でそのように言い切る。

劣等感という言葉を、現在使われている意味で最初に使った人である。
アドラーが劣等感を根幹に組み立てたのが、「個人心理学」だ。
人間は、幼い頃に劣等感に見舞われる。
それにどう応じていくかが、その後の人生行動を決める。
フロイトの精神療法の基本は、患者の過去をさかのぼって症状の要因を明らかにし、今のトラブルを解消するものだ。

それに対して、アドラーはもっぱら勇気を強調した。
元気を出せば必ずうまくいくという前向きの思想を構築した。
「生きづらさの責任を過去の経験や他者に求めず、勇気を持つことだ」
これもアドラーの言葉である。

思えば、アドラー的な「成功への道」は、今も世にあふれている。
フロイトやユングほどアドラーが有名でないのは、不人気なのではなく、私たちの思考の中に溶けこんでいるからだろう。

『つらい時に力をくれる 「こころの名医」100の言葉 (PHP文庫)』

アドラーはこう語る。
『「わたしは誰かの役に立っている」と思えたときにだけ、自らの価値を実感することができる』
役に立つとは、ほんの些細(ささい)なことでいい。

森信三先生は、それを「人に対して、親切にする」という。
仏教でいうなら「無財の七施」だ。
無財の七施とは、お金がなくてもできる他者への喜びを与えること。

一、眼施…優しい目つきや慈(いつく)しみのまなざしで、すべてに接すること。

二、和顔施…いつもおだやかな顔つきで人に接すること。

三、言辞施…愛あるやさしい言葉を使うこと。

四、身施…人のいやがることなどを、気持ちよく実践すること、行動すること。

五、心施…人の身になって心を配り、共に喜び、共に悲しむこと。

六、床座施…電車の中などで気持ちよく席を譲ること。

七、房舎施…訪ねてくる人がいたら、気持ちよくもてなすこと、気くばりすること。

「人生最大の危険は、自分のことだけ考えること」
人を喜ばせることの実践を重ねたい。