アカデミー賞を第1回から順番に観て感想を書くブログ
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ずっと放置しておりましたが

先週、ハリウッドにいってまいりました。

これを機に再開しようかな~と考えております。

『ワルボロ』9/8公開

本来の目的であるアカデミー賞レビュー、なかなか手がつけられず、ごめんなさい。


現在、9/8公開の映画『ワルボロ』のパンフレットにかかりきりです。昭和の立川を舞台にした不良中学生の話なんですけど、なにを隠そう、映画の中に出てくる中学校が僕の母校なのだ。


というのも、原作者のゲッツ板谷さんが僕の4つ上の先輩にあたる方で、ストーリーはゲッツさんの中学時代の話だからなのです。興味のある方はぜひ劇場へ!


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『ワルボロ』(隅田靖監督)


濃厚かつトリッキーな自身の家族をネタにした『板谷バカ三代』(角川書店)を始めとした多数の著書で、読者を抱腹絶倒の渦に叩き込んできた怪人ライター、ゲッツ板谷の自伝的小説『ワルボロ』がついに映画化。


三多摩のスラムと呼ばれていた昭和50年代の立川市を舞台に、ワルくてボロい中学生たちが喜怒哀楽をぶつけ合いながら友情を深めていく破天荒な青春ストーリーだ。


南3中に通うガリ勉のコーちゃん(松田翔太)は、とあるきっかけを得て中3にしてツッパリデビュー。ケンカ偏差値ナンバー1のヤッコ(福士誠治)を中心とした不良グループ“錦組”の仲間入りを果たし、リーゼントにボンタンで敵対勢力とケンカに明け暮れる怒涛の日々がスタートした。

いちばんきれいな水

すっかり放置プレイで申し訳ない! 久しぶりに新作のオススメDVDを紹介します。

友人のマンガ家、古屋兎丸さん原作の「いちばんきれいな水」です。


爽やかに泣ける平成日本版“いばら姫”


 カルト的な人気を誇るマンガ家・古屋兎丸の短編をミュージックビデオディレクターのウスイヒロシが実写化。11年の眠りから目覚めた19歳の姉と中学受験に燃える妹が過ごした奇跡の夏休みを、甘く切なく温かく描いたファンタジーだ。


眠り姫・愛に扮するのは加藤ローサ。突如大人になってしまった自分に戸惑いつつも無邪気にはしゃぎ回る少女を、クルクル変わるキュートな表情で好演。チャイナやモンローのコスプレシーンも、なかなかにセクシーで眼福しきり。


 驚かされたのが妹の夏美を演じた菅野莉央ちゃん(撮影当事11歳)。自分より4つも下の精神年齢のまま目を覚ました姉に振り回されるという特殊な状況下で生ずる感情の急流を完璧に表現している。素晴らしくも末恐ろしい逸材だ。

 また往年の渋谷系ミューズ、カヒミ・カリィが物語の鍵を握る叔母役で銀幕初登場。彼女特有の浮遊感が映画に不思議なスパイスを与えてくれる。

青春☆金属バット

新作DVDレビュー

「青春☆金属バット」


ダメ人間たちのフルスイング


時間は夢を裏切る。そんなことは痛いほどわかっているのに、今日も今日とて終わらないあの頃に逃げ込む青春ノイローゼなもう若くはない若者に、ムリヤリ鏡を突きつける孤高のマンガ家・古泉智浩の同名タイトルを『鬼畜大宴会』の熊切和嘉が映画化。


27歳にもなってコンビニのバイトで糊口をしのぐ元高校球児のやるせない日常が突如バイオレンスに彩られていく様を描いた怪作だ。登場人物全員がダメをこじらせている点が大変に素晴らしく、地方都市が持つ不貞腐れた空気の抽出ぶりに唸らされた。 


主人公バナンバに扮するのはフォークロックデュオ野狐禅の竹原ピストル、バナンバの元チームメイトで無気力な不良警官・石岡に安藤政信、巨乳(もちろん特殊メイクだが秀逸な出来)を揺らして暴れまくるエイコに坂井真紀。感情移入を拒絶する3人の清廉な佇まいにゾクゾクくる。これぞ21世紀日本発のサバービアパンクムービー!

第10回アカデミー作品賞『ゾラの生涯』

第10回アカデミー作品賞

1937年(昭和12年)1月1日~12月31日・公開作品=が対象


『ゾラの生涯』

(1937年米/ウィリアム・ディレータ監督)


なんと4ヵ月ぶりの更新。今後はなんとかコンスタントにアップしていきたい所存です。さて、栄えある10回目のオスカーに輝いたのは、19世紀後半に活躍したフランスの文豪エミール・ゾラの生涯を描いた作品。ゾラの名は知っていましたけど、特に著作に触れたこともなく……予備知識がほとんどない状態で見始めたのでかなり不安でしたが、内容はそれほど重いモノではなく、120分弱の平均的な尺でホッとしました。


ゾラの生涯


ゾラの生涯といっても生れてから死ぬまでの全てを描いているわけではなく、フランス軍の右翼一派に無実の罪をきせられたユダヤ人大尉を救うためにゾラが奔走した、「ドレフェス事件」にスポットを当てた内容になっております。前述したように、いっけん重厚な偉人伝をエンターテインメントたらしめているのは、ゾラに扮したポール・ムニ(前年『科学者の道』でアカデミー主演男優賞を受賞)のコミカルかつ大仰な演技によるところが大。親友セザンヌ役の俳優のトボケた演技もポイント高い。


矢沢あいの「NANA」に先駆けること120年前に、ゾラが同名の小説で一山当てる序盤から、いったん間をおいてドレフェス事件になだれこむ構成も巧いし、ムニの加齢具合も違和感なし。ハリウッドが大好きな裁判モノのパイオニア的存在であり、法廷シーンは手に汗握らされます。それにしても軍の連中が口挟み放題、アジし放題のムチャクチャな裁判……。当事は、本当にあんな感じだったのかしら?


フランスを舞台にフランス人の文豪を描いているにもかかわらず、全員が英語をしゃべっているのはご愛嬌。公開中の『マリー・アントワネット』もダンストを筆頭に全員英語ですがな(挨拶だけはメルシー)。もっといえば公開間近のチンギス・ハーンを反町隆史が演じた『蒼き狼』も、ロケ地こそモンゴルでも、当然のようにキャスト全員日本語で会話を貫いております。(原題:THE LIFE OF EMILE ZOLA)


次は第11回アカデミー作品賞『我が家の楽園』

第9回アカデミー作品賞『巨星ジーグフェルド』

第9回アカデミー作品賞

1936年(昭和11年)1月1日~12月31日・公開作品=が対象


『巨星ジーグフェルド』

(1936年米/ロバート・Z・レナード監督)


ブロードウェイの名プロデューサー、フローレッツ・ジーグフェルド(ウィリアム・パウエル)の生涯を追ったノンフィクション作品。随所に絢爛豪華なステージシーンが織り込まれているので、70年前の公開当時にスクリーンで観たら、そりゃあもう、うっとりするほどの映画的な醍醐味を味わえたでしょう。特にジーグフェルド・フォリーズの美女タワーはド迫力で見ごたえ充分。このシーンのためだけにこの映画は存在しているのかもしれません。


ZIEGFELD



ただし、卑怯な手(友人が発掘した女優を横取り)を使ってでも、のし上がろうとするプレイボーイのアメリカ人プロデューサーにどうにも感情移入ができないので、物語になかなか入り込めない。…これが辛かった。おまけに長尺で3時間弱もありやがります。イッキに観ることができず、邪道ですが、3回くらいに分けてどうにか鑑賞(完賞)できました。


黒人を揶揄ったステージもチラっと出てきたり、メイドが太った黒人女性だったり、随所に時代を感じさせます。過去の話とはいえ、白人至上主義を見せ付けられるとやっぱりイヤな気分になりますな。(原題:THE GREAT ZIEGFELD)



次は第10回アカデミー作品賞『ゾラの生涯』

第8回アカデミー作品賞『戦艦バウンティ号の叛乱』

第8回アカデミー作品賞

1935年(昭和10年)1月1日~12月31日・公開作品=が対象


『戦艦バウンティ号の叛乱』(南海征服)

(1935年米/フランク・ロイド監督)


『カヴァルケード』のフランク・ロイドのメガホンで実話モノ、しかも戦艦うんたらなんてタイトルなもんだからかなり構えて臨んだのですが、これが意外なほどのエンタメ史劇で132分、充分に楽しめました。


戦艦バウンティ号の叛乱


1787年に起こった叛乱劇がベース。1000本のパンの木をゲットするため、はるか彼方のタヒチへ出航した英国戦艦バウンティ号。この艦の乗員は、管理職のエリートの軍人と、強制連行されて奴隷同然にこき使われる囚人や民間人の2種類にパックリ分かれておりました。独裁をもくろむブライ艦長は暴力での支配を貫き、当然のように不満分子がくすぶり始めて……。


部下や船員の気持ちを慮る心優しい軍人クリスチャンに扮するのは『或る夜の出来事』で好演したクラーク・ゲイブル。しかし、ハンサムでナイスガイな彼をしのぐ圧倒的な存在感を見せたのが、坂上二郎風味の苦みばしったブライ艦長役のチャールズ・ロートンであります。前半はとにかく彼のサディストぶりを延々と見せられ、観る者すべてが怒りの火種をかかえたまま後半へ突入するという構成。楽園タヒチで緩急をつけてからカタルシス(叛乱)へスカッと突っ走ってくれます。


ポイントはブライが単なる鬼畜ではなく、実は有能な船乗りなんだというところをキチンと見せてくれるシークエンス。これがあるから様々なことの説得力が猛烈に増すんだよなあ。この場面はハラドキ必至、本作最大の見所なのでお楽しみに。


ちなみに「南海征服」というのは昭和13年に日本公開されたときの邦題。当時は昭和11年の2.26事件から間がないこともあり、叛乱(MUTINY)という言葉を使えなかったという裏事情があったとか。(原題: MUTINY ON THE BOUNTY )



次は『巨星ジークフェルド』じゃ!

時をかける少女

昨夜テアトル新宿の最終回で鑑賞。
8~9割がた席が埋まっていてビックリ。
まあ渋谷と新宿の2館のみってのもありますが。

それにしても素晴らしい映画でした。

続編としての側面もあって、魔女おばさんの位置づけを

原田知世ととらえるとスンナリいくんですね。

主役の声優さんがいい感じ!と思いきや
谷村美月ちゃんって、映画上映前に流れまくる
「海賊版撲滅キャンペーン」のCMで黒い涙を流す
あの女の子なんですってね。こりゃ知らなんだ。

第7回アカデミー作品賞『或る夜の出来事』


第7回アカデミー作品賞(主要5部門独占)作品

(1934年1月1日~12月31日・公開作品=が対象)


『或る夜の出来事』

(1934年米/フランク・キャプラ監督)


この第7回から正式にカレンダー通りに各年度内に

公開された映画がノミネートの対象になりました。

本作は72年前、和暦で昭和9年の公開。もちろんモノクロ作品です


或る夜の出来事


お金持ちのお嬢様エリー(クローデット・コルベール)が父親に結婚を反対され、恋人のパイロットが待つニューヨークまで愛の逃避行を敢行。あちこちで奔放かつ高慢にふるまうも、世間知らずで危なっかしい。そんな彼女と長距離バスで相席になったのが新聞記者のヤサ男ピーター(クラーク・ゲーブル)。なりゆきで珍道中が始まる……。


現在ハリウッドで量産されているラブロマの源流をここに見たり。意地の張り合いから短期間で気持ちを高めていく2人を完璧に演出しております。口八丁手八丁でハッタリをかますクラーク・ゲーブルが素晴らし過ぎる。特に一流のヒッチハイカーを気取って、延々とクルマの止め方を披露する一連のシークエンスが最高。



細かい伏線、固有名詞の数々も分かりやすくて楽しい。最後の最後に登場する小道具には思わずニヤリ。このラストは秀逸だわ。何度でも見たくなるラブロマ、ラブコメの大傑作ですわ。超オススメ。


それにしても72年前(和暦で昭和9年!)にこれほどの作品が世に出ていたあたりに、ハリウッドの歴史を感じます。

日本映画がこのジャンルで太刀打ちできないのもムリないか。(原題:It Happened One Night)



次は『南海征服』じゃ!

これにもクラーク・ゲーブルが出ているようです。

或る夜の出来事

第七回アカデミー作品賞(主要5部門独占)作品


『或る夜の出来事』(フランク・キャプラ監督)


先ほど見終わりました。


もう大傑作。一分の隙もない最高のラブコメディです。


ヒッチハイクのシーンでは大声をあげて笑ってしまいました。


すべてのラブコメは本作に通じる。それくらい完璧な映画です。

ちゃんとしたレビューは後日アップします。


もう一回観ようーっと。