人類史 | 奈良坂潤紀オフィシャルブログ「Narasaka Sacas」Powered by Ameba

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人類史

膨大な台詞による知識の
斬新かつ色彩溢れる舞台美術の
闇すらも味方につける研ぎ澄まされたダンサーによる身体表現の

あらゆるジャンルの舞台表現が洪水のように押し寄せる演劇「人類史」

先日全公演終了した

前半は映像やプロジェクションマッピングを駆使し
コンテンポラリーダンスで(70000年前までは言語すら獲得出来ていない)人類が言葉や踊りや祈りを手に入れるまでの様を表現

そして一幕ラストは私も重要な役を務める古代エジプトから…
言葉は猛毒、最も危ない武器という台詞が2幕に生きてくる

2幕は中世イタリアへ
パンデミック下の科学vs.宗教という権威を…
出演者全員が驚くべき台詞量で、
ペストとコロナ…
果たして人類は進めたのか…

個人的には一幕の劇中で人類で初めて歌を発明する
なかなかエモい役をやらせて頂いた

言葉を生み出しリズムを生み出し音を生み出し歌を生み出す
初めての歌はどんな声で歌ったんだろうと想うと想像が止まらない
土っぽくってエモーショナルで大地に響きわたる声
洞窟の中の神秘的なアミニズム
祖先のDNAと20代の青春を捧げたサバンナの日々が蘇る…確かに生きたあの日々

そして三文オペラに続いての志磨さんの音楽を歌わせて頂く
役者冥利につき、20年積み上げたものを自分なりにぶつけられる運命すらも感じるシーンだった

一幕ラストから幕引きまでは怒濤の台詞で
一瞬の隙も許されない言葉の格闘技

これは多くは語れない
SNSに溢れるお客様の知的な感想が嬉しい


 

 

https://twitter.com/kaatjp/status/1320926948390883328?s=21

 

 


一個空けの客席…
複数回のPCR
徹底的な防疫対策
その中で全ての芸術を舞台に結集した作品。
『人類史』

今年はコロナ禍で個人的にもたくさんの舞台が中止になった
この先に入るはずだった幾つかの仕事も…
結局今年最後の…
そして30代最後の舞台になった。

私の演劇人生の次のページはあるのだろうか…
39歳の暮れ。初めて舞台に立つのが少し怖かった。

埼玉から横浜まで毎日劇場まで2時間乗る電車で竹原ピストルの
『オールドルーキー』という曲を聞いていた

『あの頃は。。あの頃は。。ってやってりゃあ そりゃあ酒も旨くなるさ
だけど俺はやめたんだ
そういうのはもうやめたんだ

オールドルーキー
何度でも立ち止まって
また何度でも走り始めればいい
必要なのは走り続けることじゃない
走り始め続けることだ…』

少しのんびりしたらまた走り始められるだろうか…

「人という名の私はケモノ
できないことだらけ命は短い…」

人類史の終幕に歌う劇中歌だが

愚かでもできないことだらけでも挑みたい
許されるならもっと観てみたい
未だ誰も観たことのない演劇の景色を

そして人間が生み出した「演劇」が永遠に受け継がれますように

またいつか…

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
「人類史」
https://www.kaat.jp/d/jinruishi

「人類史」
作・演出:#谷賢一
公演期間:10月23日(金)~11月3日(火祝)
会場:#KAAT神奈川芸術劇場
舞台撮影:宮川舞子

出演:東出昌大 昆夏美 /山路和弘 
秋葉陽司 浅沼圭 生島翔 植田崇幸
大久保眞希 奥村佳恵 栗朱音 小山萌子
谷本充弘  内藤治水 中林舞 名児耶ゆり
奈良坂潤紀 仁田晶凱 福原冠 村岡哲至