思いを整理するのに時間がかかりましたが
「三文オペラ」横浜公演終了しました。
ご来場頂きましたお客様
心からありがとうございました
P席の皆さま心よりお疲れ様でした。
今は2カ月間死ぬ気で演劇と向き合った心地よい疲労感
そして明日から向かう大千秋楽札幌公演へ想い昂ぶる出発前夜です
稽古後毎日激論を交わした飲み代も馬鹿になりませんでしたが(笑)
何故演劇を…願わくば芸術をやっているのか
その問いと正面から向かい合えた…
そして肉体労働の爽やかな汗と
一つの論文を書き上げて脳細胞まで汗をかいたような
心身共に汗まみれのハードな舞台の日々でした。
KAAT芸術監督でかつこの作品のキーマン
ピーチャムを演じる白井晃さんが、初日乾杯挨拶でこんなお話しをしてくれました。
「商業でもなく、劇団でもない、芸術劇場としての役割は、新しい芸術を生み出すこと。だからこそ、今回の公演はここでやるにふさわしい、、、
正直かなりやり過ぎです
でも東京の大劇場でこんな公演できますか?
クビを覚悟して私はやります!皆さん、一緒に突き進んでくれますか?」
幕開きからKAAT芸術監督として現実世界で活躍されてる白井さんが滅亡したKAATに住みつく乞食ピーチャムとして現代の芸術に未来に物申す。
KAAT版三文オペラは
挑発する作品です。
真実か否か、金とは、芸術とは、未来とは、演劇とは…
KAATのお客様の今後観たい舞台アンケートまで提示し
さまざまな疑問を客席に投げかけ、参加させ思考させ、気付かせる。
観劇後SNSに溢れる既存の演劇とは全く違うお客様のそれぞれの感想。賛否両論。
話題が話題を呼び日に日に満席になっていく客席
そして一回観ただけで何ヶ月も稽古場にいたように作品の本質を見抜く感想をアップされるお客様の洞察力には驚くばかりでした。
僕はミュージカルが大好きです。
でもいつもそれは演劇の延長であって欲しい。
お金も好きです。
でもいつもそれは幸せの延長にあって欲しい。
そして
演劇はいつも現代社会の延長であって欲しい。
それが初演から90年たっても変わらぬ初のミュージカルと呼ばれる三文オペラの魅力なのかもしれません
千秋楽の座長の挨拶にもありましたが
色々な意味で実に役者冥利に尽きる舞台でした
演っている僕らも葛藤し、観にきたお客様も葛藤し
一緒に演劇界や未来に一石を投じられたら…。
90年前から変わらず人は金に縛られ続け、明るくはないかもしれない未来がすぐそこに来ているとしても
みんなでこうやって葛藤する場をつくることが芸術のつとめかもしれないから
3番目のAが舞台上に転がり
芸術と劇場が滅亡したセットで
ブレヒトが信じた社会主義も崩壊した今
私達は何をどうしてゆくべきなのだろう…
そんなことを考えていると昨日音楽監督の志磨さん、が素敵なツィートをなさっていた
また90年後もどこかの劇場で三文オペラが上演され
誰かがこのステキな旅を再現/追体験をしてくれることを信じて