『米国・中国・日本の国勢 2023』
第3回
<工業生産>
「工業は、米国が世界一、次いで日本。中国へは日本が製鉄技術を教えた。」
などといった過去の優越感を持っていませんか?
今や、中国は「ダントツの世界一の工業国」で、中国がくしゃみをすれば、日本は風邪を引く状況です。
中国の工業生産力の増大と、日本の衰退が相対する形で推移し、日本の完敗が15~10年前に確定しました。
中国の鉄鋼・造船・自動車等の生産高は、米国と日本を合わせた分よりも多いのです。
中国のひと昔のイメージ「安かろ悪かろ」から「安かろ良かろ」に変わってきています。
また、世界中から企業が中国の比較的安い労働力と、中国国内需要をねらって生産を本国から移してきています。米国も日本も自国の工業生産の空洞化が顕著になりました。
鉄から自動車、ITに至るまで中国は「世界の工場」になりました。
量的拡大から質的拡大に重点が置かれるようになり、生産管理・品質管理は日米に劣らないどころか勝っているものになってきています。そのため、世界中で需要があり市場占有率も非常に高いものが増えてきています。
ただ、国家や軍への従属性が払しょくし切れず、今後このことが大きな足かせとなっていくでしょう。
<粗鋼生産>
<粗鋼消費>
中国が世界の鉄の生産・価格を牛耳っています。
<造船>
「造船王国 日本」は15年前の遥か昔の栄光です。
<自動車生産>
20年前には、中国の自動車生産台数は米国や日本の5~6分の1でした。今や日本と米国を合わせた以上の生産台数に成長しました。
<自動車販売>
自動車販売台数は、米国国内の1.5倍、日本国内の5倍です。トヨタグループの2021年の販売台数は国内で約200万台、中国でも約200万台です。トヨタもフォルクスワーゲンも中国に生産拠点を移すのも当然でしょう。
<電気自動車EV>
さらに次世代自動車EVについても、中国は世界の先頭を走っています。
<産業用ロボット>
中国の生産管理が優れている証です。
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次回は 第4回「エネルギー生産」
(担当E)
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