『進化論』
第10回(最終回)
人類の進化
出典:「東京大学 生命科学教育用画像集」
目次
①生命の誕生
②真核生物の誕生
③無脊椎動物の出現
④植物の上陸
⑤動物の上陸
⑥恐竜の繁栄と滅亡
⑦哺乳類の進化
⑧サルの出現
⑨ヒトの出現
現在の生物の分類では、ヒトはサルなどの仲間とともに霊長目に属している。霊長類とは,人間を含めたサルの仲間のことです。原猿類と真猿類に分かれ、霊長類の祖先と言われる原猿類にはメガネザル、キツネザルがいます。また、真猿類はほぼ類人猿とも呼ばれ、オランウータン、テナガザル、ゴリラ、チンパンジー、ヒトがいます。
プルガトリウスは、現在の霊長類の先駆者となる小型の哺乳類で、今から6590万年前に生息していた。6600万年前の隕石衝突により、恐竜など地球上の生物の約4分の3が死滅した大量絶滅から、わずか10万年後のことだ。こうした初期の霊長類の仲間が、ゴリラ、チンパンジーなどの大型類人猿や、最終的にはヒトへとつながる最初のサルの系譜を生み出した。
⑧サルの出現
約5000万年前ごろから他のほ乳類との大きな相違点である視覚・手の機能・大脳などを発達させて、霊長類の中からキツネザルのような原猿類が生まれました。
この進化した霊長目から約2200万年前にテナガザルが真猿類として現われ、約1700万年前にオランウータンが、900万年前にゴリラが、600万年前にボノボとチンパンジーとが現われました。
⑨ヒトの出現
そして、ヒト科には、その進化過程により、4つの段階が知られている。
●猿人の出現
およそ700万年前にチンパンジーとヒトの祖先が分岐しました。その頃のものと思われる今のところ最も古い猿人の化石は、チャドで発見されたおよそ700万年前のサヘラントロプス・チャデンシスといわれていて、この種が今のところ「人類の起源」とされています。次に現われたのが、580~440万年前のアルディピテクス属のカダバやラミダスです。420~210万年前に、不完全ながら直立二足歩行をして礫石器を使用したアウストラロピテクス属のアナメンシスとアファレンシスという猿人が現われました。
しかし、人類誕生~猿人~原人へ移行する途中の化石は不明確で、この間はミッシング・リンク(失われた環)といわれてます。猿人と原人の間では、どちらに属するか決められない種の化石がたくさん発見されており、両方が共存していたらしく交雑があった可能性もあります。例えば、この過渡期に生存していたホモ・ハビリスは、名前はホモとなっていますが、猿人のアウストラロピテクス属と原人のホモ属の両方の特徴を持っているとされています。
●原人の出現
約190万年前にアフリカで、完全に直立二足歩行して握斧を使用して火も使用したと思われる真正の原人(ホモ・エレクトス)が現れました。初期のホモ・エレクトスの脳容量は750~800cc程度ですが、後期には1,100~1,200㏄まで大きくなっていました。
彼らは、180万年前に第1回目の出アフリカで、中東・アジアに広がっていきました。北京原人やジャワ原人やドイツで見つかったホモ・ハイデルベルケンシスが派生したと考えられています。
●旧人の出現
(現在では、旧人・新人という表現はほとんど使われなくなりました。)
40万年前に、ある共通祖先からホモ・サピエンスと別れて、ネアンデルタール人が現れ、3~4万年前に絶滅しました。強力な肉体を持ち、脳容量も1550㏄とわれわれ現生人類より大きいことがわかっています。
いわゆる旧人はネアンデルタール人だけではなく、デニソワ人、ローデシア人などいくつかの人種がありました。
●新人の出現
類人猿から進化を始めた人類は、猿人を経ていわゆる原人、旧人と呼ばれる進化の道を進み、60万年前に共通祖先からネアンデルタール人と別れて、現在の我々につながる新人(ホモ・サピエンス)が現れました。
ホモ・サピエンスの仲間には、4~1万年の間生存していクロマニョン人がいます。
近年の研究では、ホモ・サピエンスの遺伝子にネアンデルタール人の遺伝子が数%混入していると発表されました。
新人は「知恵あるヒト」という意味のホモ・サピエンスといわれます。