『相対性理論』
第1回
<相対性理論とは?>
相対性理論とは、アインシュタインにより1990年代初頭に発表された光・重力理論です。
従来のニュートン力学の時間と空間の考え方は「何物にも影響されず、あらゆる場所で一様である」というものでした。ニュートンの「万有引力の法則」によって重力についての多くのことは解明できました。
万有引力とは、字のごとく「万物が有する互いに引き合う力」のことです。
ニュートンの万有引力の考えに基づけば、ボールが地面に落下するのは、地球の質量が非常に大きいからということになります。 しかし、科学が進歩し、特に20世紀に入って光の速度の世界や宇宙・量子の世界ではニュートン力学は通用しないことがはっきりしてきました。
そんな時に考え出されたのが、アインシュタインの「相対性理論」です。
それによると、「重力が空間を曲げている」「質量により空間は曲がり、凹凸のある空間が重力として認知される」ということになります。極端に言えば、ボールが地面に落ちるのは、空間が曲げられ地球が自分に向かって下り坂を作っているためだと考えたのです。
「時間と空間は立場によって変わる」,「質量とエネルギーは同じものである」,「重力で光が曲がる」,「重力は空間の曲がりから生まれる」……。
これらはすべて,「相対性理論」が明らかにしたことです。
アインシュタインはこの理論で現代物理学の新世紀を切り開きました。
相対性理論は、「特殊相対性理論」と、「一般相対性理論」という二つの理論から成り立っています。
二つの理論内容の大きな違いとしては、
特殊相対性理論は、①光速度不変の原理 ②特殊相対性原理という二つの原理を基盤として成り立っています。
一般相対性理論は、①(加速度と重力の等価性としての)等価原理と、②(すべての座標系における)一般相対性原理という二つの原理を基盤としてとして成り立っています。
特殊相対性理論においては、それが「慣性系」と呼ばれる静止状態にあるか等速運動を行っているという特殊な環境にある観測者同士のみを扱う対象としているという意味において「特殊」という言葉が用いられています。
一般相対性理論においては、その理論が「加速度系」も含めたすべての座標系、あらゆる観測者において同等に成立する理論であるという意味において、「一般」という言葉が用いられています。
別の言い方をすれば、二つの大きな違いは ”重力の影響を考慮するかしないか” です。
・特殊相対性理論は、重力の影響を無視して考えるより単純な理論
・一般相対性理論は、重力も加味したより一般的な理論
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次回は 第2回「特殊相対性理論とは?」
(担当P)
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