『宇宙』 第1回 宇宙をつくっているもの | 奈良の鹿たち

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『宇宙』第1回

「宇宙をつくっているもの」

 

 

宇宙の成分は、目に見える物質だけではなく、いまだに正体が判明しないダークエネルギーダークマターの割合が95%と大部分を占めています。

私たちが分かっている宇宙の知識は、残りの5%の原子構造である通常物質(バリオン)のみです。

古代ギリシャの哲学者デモクリトスは「万物は原子から出来ている」と言いましたが、今や「宇宙のほとんどは原子から出来ていない」と言えるのです。 

 

<ダークマター(暗黒物質)dark matter

宇宙の現象を説明するために考え出された「質量は持つが、光学的に直接観測できない」とされる仮説上の物質で、宇宙の27%を占めます。また銀河の回転が、中心部分でも外縁部分でも回転速度が変わらないことや、銀河や銀河団で、その構成物である恒星や銀河がバラバラにならないのはダークマターがつなぎとめているからだとされています。さらに、星の誕生もダークマターの重力作用で星間物質が集められるとされ、星の生みの親ともいわれています。

ダークマターは、重力をおよぼすので宇宙膨張のブレーキ役になるとみられます(未知の重力源)。ダークマターは「宇宙に存在する物質とほとんど相互作用をしない(あらゆるものを貫通する)」「重力はおよぼすが、原子構造ではない何かがある」などといった想定がされており、間接的にその存在を示唆する観測事実は増えているものの、その正体はいまだ不明です。

有力候補として「ニュートラリーノ」という超対称性理論で唱えられている未発見の素粒子があげられていて、ヨーロッパのCERNの「大型加速器(LHC)」で検証中です。

ダークマターが生まれたのは、ビッグバンの前のインフレーション時代といわれ、重力やヒッグス粒子もこのころ生まれたらしい。そのためダークマターが、重力を持つようになったといわれています。 

近年重要視されている重力レンズは、遠くの銀河と地球との間にダークマターやブラックホールや銀河団といった大質量の天体が存在し、その重力が凸レンズの役割りを果たして光を曲げて、それまで分からなかった天体を観測することが出来るようになりました。

 

 

<ダークエネルギー> dark energy

宇宙論において、宇宙全体に浸透し宇宙の膨張を加速していると考えられる仮説上のエネルギーで、宇宙の構成の68%を占める。正体は現代物理学上全く不明で、物質なのか現象なのかさえ分かっていない。その存在すら疑われています。

 

<通常物質(バリオン)> baryon

一般に我々が見ることのできる物質で、宇宙の構成のわずか5%のみを占めている。宇宙空間に漂う水素原子を基とする可視的物質。

具体的には、地球上にあるすべての物質や宇宙にある星や塵、ガスなどです。

 

これらの宇宙構成要素の割合は、広大無辺な全宇宙からどのようにして分かったのでしょうか。

それは偶然に発見された「宇宙マイクロ波背景放射」から導き出されたのです。

宇宙マイクロ波背景放射(CMBR)は、宇宙創成時の高温高密度のなごりの光が、宇宙のどの方向からも電波(マイクロ波)として一様にやってくるという現象です。

NASAや欧州の観測衛星の分析結果で、この背景放射は10万分の1程度の温度の「むら」があることが分かりました。この「むら」が宇宙構成の違いになります。

宇宙物質の構成比は次のようなものでした。

<WMAP衛星>

ダークエネルギー 72.6%、ダークマター 22.8%、通常物質 4.6%  (2003年)

 

<プランク衛星>

ダークエネルギー 68.3%、ダークマター 26.8%、通常物質 4.9%  (2013年)

 

 

 

 

 

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次回は 第2回「ブラックホール」

 

 

(担当 P)

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