直秀が捕まっちゃった
それどころか、「遠くの国」というのが、
私がイメージした国とは、違うベクトル方向への「国」だった
脚本家大石静さんについて、なにかを語るほど多くのことは存じ上げないのですが、
道兼事件に次ぐ今回の出来事に、恐ろしさを感じました
そんなショッキングな展開の前に、まるで駄々っ子のこの人でほっこりしましょう
藤原実資、またもや激おこぷんぷん丸
実資は、もはや、ゆるキャラ化したと言っても過言ではない気がします
↓あの義懐から納得いかないことを言われ、プンスカ実資
ぷんぷん
家に帰ってから、お酒飲みながら、仕事の愚痴を奥さんに向かってぶうぶうわめく
奥さんからはまた、日記に書けと言われちゃった
「日記には書かぬ!恥ずかしくて書けぬ」(だからお前に言ってるんだよ、なんでわかってくれないの?ぷんぷん)
いやもう面白いけど、
藤原実資にこんなイメージが定着してよいのだろうか?
花山天皇出家作戦開始
忯子ちゃんを失って、ひたすら元気のない花山天皇
彼はまだティーンエイジャーなので、無理もない
↓
本郷奏多さんの演技が上手で、かわいそうになってきた(母目線)
そんな花山天皇のウラで、花山天皇を廃位させ、懐仁親王を皇位につける作戦が開始されています
花山天皇が廃位すれば、次に皇位につくのは懐仁親王です(一条天皇となります)
懐仁親王が天皇に即位すれば、
詮子が天皇の母、国母となり、
詮子の父兼家は天皇の外祖父として力を握ることができるのです
これは、なにがなんでも、花山天皇に天皇の地位を降りてもらわねばなるまいっ!!!と兼家はトーゼン考えたでしょう
そーこーでー 、花山天皇を引きずり下ろす作戦が開始されました
・仮病の兼家
悲鳴を上げる詮子「キャ~!」
屋敷中に響きわたる詮子の悲鳴(笑)
道長「ち…父上の病は 偽りだったということでございますか?」
道長が騙されるくらいだから、ドラマ見ている私も騙されちゃったわ
・陰陽師安倍晴明の秘策
兼家の昏睡状態継続は、実は安倍晴明の「秘策」
いやしかーし、疑問だ
何が疑問かって、陰陽師は当時ちゃんとした職業だったと思うのだけど、
こんなふうに腹黒くカネで動くんですかね?
このシーンなんて、陰陽師の方から話を持ち掛けてるじゃん?
こうなるともう、やってることはインチキ占い師と同じじゃん?
現代と違い、当時は得体の知れないものに対する畏怖の念が強かったからこそ、陰陽師の占う内容が説得力があったわけで、
それをまるで詐欺師のように描写して、よいのだろうか?
まあ、とにかく、
この晴明の秘策に従い、兼家が倒れた原因が忯子の怨霊であるという(作り)話を花山天皇に吹き込むことになりました
兼家「忯子様のみ霊を鎮め 成仏させるために 帝がなすべきことは何か?」
兼家「これより 力の全てを懸けて 帝を 玉座より引き下ろし奉る」
「奉る」という古典文法独特の謙譲表現を、不敬な内容に使わないでほしいもんだ
・調子にのるミチカネ
先週のミチカネの孤独な感じには同情さえしたのに、
親も親なら子も子なわけで
今週のミチカネは、きょうだいの前で得意満面で自ら付けた体の傷を見せびらかしながら
「私は体を張って 父上の命を果たそうとしていたのです」だと…
ミチカネはこの傷を、父兼家からのDVの傷跡であると言いながら
花山天皇に見せ、
↓花山天皇は本気でミチカネに同情してしまう
花山天皇が騙されるくらいだから、私も兼家のDVかと思ったわ
ミチカネは、花山天皇から同情されることで、
お互いに信頼関係があるように、花山天皇に誤解させたわけです
この「信頼関係」が、次回のミチカネの「活躍」につながっていくのでしょうね
・怨霊が吹き荒れる御所
御所では、忯子の怨霊が吹き荒れはじめました
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240306/23/naranouchi/99/e3/j/o1080078715409989902.jpg?caw=800)
晴明のヤローが、
宮中の不吉な事件の原因が忯子の怨霊であることを、花山天皇に吹き込みます
それに対して、花山天皇の反応は
花山天皇「忯子よ…成仏できぬのか。かわいそうにな…。」
「どうすればよいのじゃ」
インチキ腹黒占い師晴明「お上が 出家あそばされるしかございません」
このインチキくさい表情、さすがですねえ
次回、きっと剃髪してしまう花山天皇の沈鬱な表情
風葬の地、鳥辺野
直秀を捕らえた検非違使に、道長が袖の下を与えたにもかかわらず、
直秀たちが鳥辺野に連れていかれたと聞いて、
道長とまひろは鳥辺野に急ぎます
そのころ、
直秀たちは鳥辺野に到着しました
検非違使の不敵な笑いから、直秀は自分の置かれた状況を理解します
直秀たちを追いかける道長とまひろ
遅かった!!!
直秀たちは、検非違使により殺されてしまっていました
人も殺していない、ただの盗賊の彼らが果たして死刑に値するのか?
現代で言えば「罪刑法定主義」に背く重すぎる罰です
このころ、律令に基づく統治はまだ継続していましたが、現実的にはその知識を持つものはほとんどいなかったようです
その中で、実資だけは多少の法知識を持っていたそうですよ
彼って、インテリですからね
実資「えへん!」
法律云々を語るまでもなく、罪を犯した賤人の扱いなんて、どうにでもなったのかもしれませんね
ドラマですが、あえて邪推すれば、道長の「袖の下」は まひろ救済のためのお金であると、検非違使に「勘違い」されちゃったのかもしれないですね
息絶えていた直秀
道長が、死後硬直で固く握られた直秀の手を開くと、鳥辺野の土を握りしめていた
道長は土のかわりに、自分の扇を持たせた
道長自ら穴を掘る
まひろも穴を掘る
キョエちゃん?
さようなら、直秀(役者さんも大変だ)
自分を責める道長と、慰めるまひろ
…という展開なんだけどさあ、
鳥辺野というのは、ご存じのとおり「風葬の地」なんです
カラスがいるのは大正解ですが、ここで、穴を掘って死体を埋葬するのはいかがなものかと思いました
風葬というのは、死体をその場所に置くことで鳥が遺体を啄み、やがて骨が残るような葬り方です
先週、たまたま、六波羅蜜寺に大学院の友人たちと行ったのですが、
(六波羅蜜寺は、鳥辺野の入り口である「六道の辻」にある寺です)
その時、一人がこんなことを言ってました
「鳥辺野は一般に『死体の捨て場』といわれるが、その表現は適切ではない
なぜならば、風葬により骨となった死体は、再び遺族により持ち帰られて、きちんと供養してもらうから」
穴を掘って埋めてしまっては風葬にならないのです
それに、当時の「死の穢れ」への畏怖は、とても大きなものだったはずで、
死体がゴロゴロ散乱し、カラスもぎゃあぎゃあ鳴いているような、現代人でも背筋が寒くなるような鳥辺野で、時間をかけてあれだけの人数の死体を埋葬していたら、生きている二人にとてつもない量の死の穢れが付着してしまいます
忯子一人の祟りで宮中があれだけの騒ぎになるような時代なのに、
鳥辺野なんかで、素手で穴を掘って(人骨が出てくるかもしれないのに)、
埋葬するのはちょっと無理があるんじゃないの?
まひろの服も、前々回の雨で濡れて汚れたはずなのに、今度は泥んこだよ
(運動部の息子の体操服じゃあるまいし…)
まひろちゃん、今度こそ おべべが汚れますよ!
それは困ったにゃん!