東大寺三月堂不空羂索観音立像
(東大寺HP)
これまで、歴史的な仏師の利き手について考えたことは、ありませんでした
彫刻刀は、おそらくハサミとは違い、右利き左利き関係なく使えると思うのですが、
考えて見れば、仏師にも右利き左利き両方の人がいたかもしれません
不空羂索観音を造った仏師について
「具体的に誰か」という議論ではなく
仏師の利き手の観点から考える
面白い説に出会いました
↓不空羂索観音のお顔
このお顔の観察から話が展開します
(この不空羂索観音については、町田甲一氏が大絶賛してましたね…)写真は、「写し方」の問題もあるし、
そもそも「微妙な議論」なところでもあるのですが
この不空羂索観音のお顔をよくみると
顔の右半分(向かって左側)の顔幅が
左半分(向かって右側)より広くなっている
ことがわかりますか?
↓わかりやすくするために、私のきったないノートの図をご覧ください…(きたなくてわかりにくいよ)
不空羂索観音の場合
顔の左右幅の違いだけでなく
耳の向きも(写真ではビミョ~なんですけど)、
右耳のほうが正面を向き、左耳は側面に沿って造られています
これは
左利きの仏師の特徴
なんだそうです
↓まあ、こんな感じ(絵が超絶下手くそ)
あ、↑これ、正面図と上から見た図(のつもり)
あ、↑これ、正面図と上から見た図(のつもり)
え?わからない?
うーん、これが「画伯はなこ」の限界ですわ…あはあはあは
この話を聞いたとき
なーんて面白い話!
と思い、仏像の写真をいろいろ見てみたんですが
私の節穴目では
よくわからん!
という個人的結論になっております
で、ランダムですが、木彫で正面向きで顔を歪めた表情でない仏像で、右利き(不空羂索観音と逆)ものを集めてみました
どうぞご検討ください
皆さんの目が節穴ではありませんよ~に!
(。-人-。)
東大寺三月堂不空羂索観音(これは、左利き仏師)
↓ここから右利きと思われるもので、正面写真が手に入ったもののランダムコレクション(顔の左半分が広いやつ…うーん、ビミョーだけど)
特別出演
醍醐寺牛くん(12世紀前半)
動物とはいえ、左半分が広いかも…
動物とはいえ、左半分が広いかも…
長岳寺阿弥陀如来(1151、康助?)
同、脇侍
神奈川宝城坊(10世紀前半)
真如苑大日如来(運慶、1193)
栃木遍照寺 大日如来(康誉、1346)
どうですか?
右利き仏師の作品に見えますか?
以上の写真は、『大和古寺の仏たち』『別冊太陽仏像』から
(重ねて言いますが)木彫で、正面の写真で、右利きっぽく写ってるとおもわれるものを、ランダムにとりました
つまり、もしかすると、恣意的にとったわけだよ…
でもまあ、これを問題提起として
ちょっと皆さん!
考えてみて下さ~い(ノ´▽`)ノ
(無責任な終わり方だね…)