不空羂索観音の作者は左利き仏師か? | 奈良大好き主婦日記☕

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鎌倉在住
奈良や仏像が好きで子育て終了と共に学び直し大学院博士課程修了、研究員になりました。
テーマは平安後期仏教美術。

明日香村、山の辺の道等万葉集の故地が好きです。
ライブドアにも書いていました(はなこの仏像大好きブログ)http://naranouchi.blog.jp




東大寺三月堂不空羂索観音立像

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(東大寺HP)







これまで、歴史的な仏師の利き手について考えたことは、ありませんでした



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彫刻刀は、おそらくハサミとは違い、右利き左利き関係なく使えると思うのですが、

考えて見れば、仏師にも右利き左利き両方の人がいたかもしれません





不空羂索観音を造った仏師について

「具体的に誰か」という議論ではなく


仏師の利き手の観点から考える

面白い説に出会いました





↓不空羂索観音のお顔
このお顔の観察から話が展開します
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(この不空羂索観音については、町田甲一氏が大絶賛してましたね…)


写真は、「写し方」の問題もあるし、
そもそも「微妙な議論」なところでもあるのですが


この不空羂索観音のお顔をよくみると

顔の右半分(向かって左側)の顔幅が
左半分(向かって右側)より広くなっている

ことがわかりますか?






↓わかりやすくするために、私のきったないノートの図をご覧ください汗…(きたなくてわかりにくいよ)
不空羂索観音の場合
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顔の左右幅の違いだけでなく

耳の向きも(写真ではビミョ~なんですけどあせる)、
右耳のほうが正面を向き、左耳は側面に沿って造られています


これは

左利きの仏師の特徴

なんだそうです






では、右利きの仏師による仏像の特徴はどうなるかというと、当然逆になりますよね


↓まあ、こんな感じ(絵が超絶下手くそ)
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あ、↑これ、正面図と上から見た図(のつもり)

え?わからない?
うーん、これが「画伯はなこ」の限界ですわ…あはあはあは汗



この話を聞いたとき


なーんて面白い話!

と思い、仏像の写真をいろいろ見てみたんですが


私の節穴目では


よくわからん!


という個人的結論になっております




で、ランダムですが、木彫で正面向きで顔を歪めた表情でない仏像で、右利き(不空羂索観音と逆)ものを集めてみました




どうぞご検討ください



皆さんの目が節穴ではありませんよ~に!
(。-人-。)




東大寺三月堂不空羂索観音(これは、左利き仏師)
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↓ここから右利きと思われるもので、正面写真が手に入ったもののランダムコレクション(顔の左半分が広いやつ…うーん、ビミョーだけど)



法華寺十一面観音(9世紀中頃)
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渡岸寺十一面観音(9世紀中頃)
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元興寺阿弥陀如来(10世紀、平安時代)
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法華寺維摩居士(8世紀、奈良~平安時代)
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白毫寺菩薩像(9世紀、平安時代)
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室生寺十一面観音(9~10世紀、平安時代)
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仁和寺薬師如来(1103年、円勢、長円)
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法金剛院 阿弥陀如来(1130、院覚)
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特別出演
醍醐寺牛くん(12世紀前半)
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動物とはいえ、左半分が広いかも…





長岳寺阿弥陀如来(1151、康助?)
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同、脇侍
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浄瑠璃寺大日如来(12世紀後半)
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薬師如来
神奈川宝城坊(10世紀前半)
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真如苑大日如来(運慶、1193)
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栃木遍照寺 大日如来(康誉、1346)
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どうですか?
右利き仏師の作品に見えますか?


以上の写真は、『大和古寺の仏たち』『別冊太陽仏像』から
(重ねて言いますが)木彫で、正面の写真で、右利きっぽく写ってるとおもわれるものを、ランダムにとりました

つまり、もしかすると、恣意的にとったわけだよ…


でもまあ、これを問題提起として


ちょっと皆さん!

考えてみて下さ~い(ノ´▽`)ノ

(無責任な終わり方だね…)