製作年度:2017年

上映時間:115分

監督:マーティン・マクドナー

脚本:マーティン・マクドナー

出演:フランシス・マクドーマンド、サム・ロックエル、ウディ・ハレスソン、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ピーター・ディンクレイジ

 

 
あらすじ:ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する三枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始め……。 (シネマトゥデイより抜粋)

 

 

マクドナー監督が実際に見た三枚の看板でイマジネーションを膨らまし、製作された今作品。マクドナー監督は英国ロンドン出身。外側にいるからこそアメリカに蔓延する社会問題を客観的にみつめ、作品に昇華することができたのであろう。脚本の構成力は期待通りの上手さ。娘をレイプされ焼き殺されたミルドレッドの三枚の看板に掲げたメッセージによってパンドラの箱が開けられ、吹き荒れる暴力の応酬は今のアメリカに蔓延する問題をみているようで胸に迫る。そして、その中で暴力の応酬ではなく、『許し』が必要なのだという監督のメッセージは心に響く。もちろん今作品はハッピーエンドでは終わらない。今作品の起承転結の『結』は観客一人ひとりに考えさせる、マクドナー監督の心憎い手腕に賛辞をおくりたい。