『菊豆』

 

チャン・イーモウ監督作品は何本か観ましたが、一番好きな作品。原作では農家だったが、映像的な効果を狙って染物屋に変更されたとのこと。今作品の人物の心理描写に小道具が効果的に使われており、唸らされる。コン・リーは期待通りの美しさ。官能ドラマから始まり、最後は狂気まっしぐらな展開に驚かされた。その狂気は主人公と愛人から生まれ落ちた子供から発せられるので、本当に恐ろしい。最近、チャン・イーモウ監督の新作である『妻への家路』を鑑賞したが、良い作品ではあるが『菊豆』のような衝撃はない。

 

 

 

 

『ゲッタウェイ』

 

スティーブ・マックイーンが出演している作品を、先日初めて観た。監督がサム・ペキンパーなので銃撃戦の演出が素晴らしい。そして、何よりスティーブ・マックイーンが男前。マックイーンの銃さばきは、リアルに銃を撃ったことがあると思わせるほどの出来栄え。役者になる前は海兵隊に入隊していたようだから、その経験の賜物なのかしらん。

 

 

 

 

『緋牡丹博徒 お竜参上』

 

恥ずかしながら、藤純子の緋牡丹博徒シリーズを初めて観ました。今作品は、私の好きな加藤泰監督作品。加藤監督の血が飛び散る演出は本当に芸術的ですね。そして、藤純子が美くしい。特に菅原文太は国に帰ることになり、藤純子が雪の中橋の上で彼を見送るこのシーンは忘れられない。