『大統領の陰謀』

ウォーターゲート事件を追う二人の記者の物語。この作品で良い所は、大げさな演出に頼ることなく淡々と事実を描いている点だ。そして、記者に情報提供するディープスロートも物語を盛り上げる一因となっている。ディープスロートと記者が初対面するシーンは忘れられない。深夜の駐車場、暗がりの中目を凝らす記者。カチッとライターが点く音。記者、音がした方に目をやると火が点る煙草を燻らせるディープスロートが立っている。このシーンを観ることができただけでもめっけものだと思った私です。




『悪の教典』

出ている役者陣は豪華なのに、監督が上手く使いこなせてない感じ。山田孝之のキャラは本当に勿体ない。あんな殺し方はブーイングである。染谷将太のキャラが一番好き。私的にあの屈折した感がツボです。しかし、主人公の殺戮シーンはいただけない。あれは空虚な演出に他ならない。終盤の殺戮シーンは不快感しか残らなかった。





『クロユリ団地』

今作品を観て、私は幽霊もののホラーは怖くなくなったのだと認識した。『トリハダ』等、『人間の狂気』をテーマにした作品を知ってしまうと幽霊ものは物足りない。





『舟を編む』

辞書という異業種の世界を知ることができたことは良かった。様々な賞を獲っている作品だが、私的にそんなに心打つ作品なのかと疑問に思う。





『横道世之介』

面白い作品であると思う。原作がそうだから仕方がないのだが、ある有名な事故を出す必要があったのかと首を傾げてしまう。ロブ・ライナー監督の『スタンド・バイ・ミー』のようなラストで良かったのではないだろうか。その方が素直に泣ける。





『陽だまりの彼女』

童話をモチーフにした作品で、想定外の展開だったので面白かった。しかし、上野樹里の情緒不安定な演技は上手いので目が離せなかったのだが、松本潤の演技が下手なのでチグハグ感が否めない。