私の一番好きな監督であるポン・ジュノがSFアクションを介してグローバルに問題化している格差社会をどう料理するのか大変期待していた。下記の映画予告を初めて観たときの興奮たるやいかばかりだったであろうか・・・。
本日やっと今作品を鑑賞したのだが、観ている間溜息の数多し。ポン・ジュノ監督が手掛ける人間ドラマは非常に卓越している。特に『母なる証明』のラストシーンの破壊力たるや凄まじいものがあった。しかし、SFアクションになるとエンターテイメント性を重視せざるを得ない為、ポン・ジュノ監督の良さが半減してしまった感がある。又、アクションの演出が不得手だと感じた。
今作品の一番の見せ場であろう車両の中でのバトルシーンは、新鮮味の欠片もない平凡な演出であった。斧、ハンマーを使ったバトルシーンは韓国映画の常套句なので、『またか・・・』と思った次第。そして、このバトルシーン開始のゴングが、大魚の腹を斧で掻っ切る演出なんてダサすぎる・・・。こんな野暮ったい演出をする監督じゃないはずなのに・・・、と頭を掻きむしりたくなるほどでしたよ。
一番残念だったのは、主人公の葛藤を終盤に説明台詞で終わらせたこと。本当に期待していた作品だったので、ガッカリ度数が半端ありません。ポン・ジュノ監督の次回作品は人間ドラマに回帰してもらいたいです。
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