製作年度:2013年
上映時間:112分
監督:石井隆
脚本:石井隆
出演:柄本佑、佐々木心音、竹中直人、風間ルミ、桜木梨奈、伊藤洋三郎、間宮夕貴、壇蜜


 
あらすじ:リストラされてヤケ酒をあおり、その果てにチンピラとトラブルを起こした孤独な青年。おびただしい数のマネキン人形が廃棄されている歌舞伎町の廃虚ビルへと逃げ込んだ彼は、そこで人間の少女のような肉体をしたセーラー服姿のフィギュアを見つける。胸をもみしだき、下着を脱がせるなどして、フィギュアと甘い時間を過ごしていたが、ビル内で犯罪行為を働くヤクザたちの姿を目撃。彼らに追い詰められ、青年は死を覚悟するが、突如としてフィギュアが動き出してヤクザを次々と蹴散らしていく。


石井隆監督作品で初めて観たのが『GONIN』でした。『GONIN』の衝撃が忘れられず、『GONIN2』『夜がまた来る』『死んでもいい』『ヌードの夜』と立て続けに鑑賞し、石井隆監督作品の大ファンとなったのです。

本日、新作である『フィギュアのあなた』を鑑賞。『電飾の灯り』『雨』『水の波紋の影』『水の音』等々、石井隆イズムをふんだんに盛り込んだ(『GONIN』の佐藤浩市と鶴見辰吾の台詞を柄本佑に言わせるサービスっぷり)、石井隆ファン悶絶の演出は大変観応えがあったし、嬉しかった。又、石井組の常連である伊藤洋三郎、飯島大介、山口祥行の三馬鹿ヤクザは非常に笑わせてもらったし、柄本佑のダメンズっぷりも良かったのだが・・・・、フィギュアを演じた佐々木心音の演技の下手さ加減にがっかりさせられた。彼女はオールヌードで濡れ場など大変頑張っているのはわかるのだが、台詞が棒読みなので白けてしまって石井隆監督作品の世界観に浸れなかったのだ。

$茶粥の映画日記


過去の石井隆監督作品に共通するのが『死の足音が近づくにつれ、主人公の生の輝きが増す』ということ。石井監督作品で一番わかりやすいのは、『フリーズ・ミー』である。主人公が三人の男に地獄の底まで堕とされ、死の足音が刻々と近づいたときの彼女の輝きは目を見張る。そして、最期に死と対峙した時のバックショットの裸体は非常に美しい。

注)下記予告はショッキングなシーンがあります。



上記の作品の他にも『ヌードの夜』『夜がまた来る』『GONIN』『GONIN2』等々、生と死の境界ぎりぎりの世界観が私的に大好きなのだが、『フィギュアなあなた』ではそこまでの世界観が味わえなかったのが非常に残念でした。




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