⑲  採取後再健診

 

 術後検診から10日位過ぎた辺りから、痛みが和らいできていた。鋭く突き刺すような痛みから、鈍い感じへと痛みの種類が変わっていった。そして術後から一か月が経過しようかという頃には、ふとした動作で時折、違和感はあるものの、ほぼほぼ痛みはなくなっていた。ようやく骨の穴が塞がってきたのだろうか?この間、度々Mさんから様子をうかがう電話をいただいた。やっと安心していただける返答が出来た。

 

 さて、始まりの日から158日。病院は8回目。前回の健診から3週間余が経過。前日確認の電話がMさんからあり、術後再検診に同行していただくことになった。回復まで長引いたせいなのか?お手数お掛けし申し訳ない。

コーディネーター同行になったおかげで、後日振り込みの予定であった、退院から今日までの交通費も手渡しで頂けたのはありがたかった。

 

 前回の検査で、血液の数値が正常値だったので、今回は採血はなし。この行程を省けるとかなりの時短。

今回は医師の問診のみ。受付を済ませてもらい、Mさんとともに入室。順番待ちの番号はモニターには表示されていなかったが、急に名前を呼ばれる。ドナーファストパス発動!手術を担当していただいたY医師が緊急の事案で不在だったため、代わりの先生の問診であった。

 

 採取箇所をチェックしていただき問題なし。傷跡も消えつつあるようだ。『痛みも治まっているのでこれにて、終診と致します。』とのことで、ようやく今回のコーディネート、約5か月に及んだ私の“冒険”もようやく終了だ。術後の回復に時間がかかってしまったが、終わってみればなんてない。気になるのは患者のお兄がどうなったのか?

 

 これは手紙でも届かない限り知る術がない。うまくいっていることを祈るしかない。

(患者とドナー間で、1年以内に2回まで手紙のやり取りが許されている。ただし、個人が特定されるような情報は書いてはならない。骨髄バンクの検閲が入ります。約半数のドナーが手紙を受け取っているようだ。私のところにも届くといいのだけれど。)

 

 本来ならコーディネーターの同行はない術後検診にまで、わざわざ来ていただいたMさんとも今度こそお別れ。5か月間、ありがとうございました。

 

 一度骨髄提供すると1年間は、ドナー検索の対象から外される。

 

 骨髄提供は、骨髄バンクの方針が変わらない限り、一生のうち2回までと定められている(PBは1回まで)。でも1年が経過したのち、再度一致の連絡があれば、また提供させていただきたいと強く思う。今回は本当に貴重な体験をさせていただいたことに感謝いたします。

 

※次回⑳ “後日談~届いたもの~”へ続く