㉑ 届いた手紙

 

 そして205日目。久々に届いたクリーム色の封筒にはコーディネーターのMさんから、患者さんからの手紙が届いたので同封しますという手紙に、お兄こと患者さんからの封筒に入った手紙が添えられていた。(骨髄バンクとの規約で、個人が特定される恐れがあるため、原文や画像を載せることはできません。)

 

 文章がそれほど長くはなかったことから、数々察することはあったが、しっかりと手書きで感謝の言葉、前向きな言葉がしたためられていた。思わず涙腺が崩壊しかけたけれど、この手紙を読み、あらためて、提供して良かったと思えた。手紙が届いたことによって、患者さんは本当にいらっしゃって、快復へ向けて頑張っておられるのだなと実感できた。あれから約3ヶ月が経過し、お兄がどの程度の回復具合なのか詳細を知ることはできない。しかし、手紙を書こうという気になったこと、実際に書けるくらいにはなっているということで、ひとまずは嬉しく思う。ドナーをやった方なら誰だって、患者さんに快復して欲しいと願っているハズだ。(骨髄バンクの規定では、1年以内に個人が特定できないような内容で2回まで手紙のやり取りが許されている。)

 

 さらに212日目。採取後3ヶ月アンケートのお願いなるものが届く。いつものクリーム色でなく、水色のA4サイズの封筒。4枚に渡り質問の紙が入っていた。

 数々の項目があったが、概ね提供して良かった。また機会があれば提供したいという旨の回答をした。

意見としては、確認検査からドナー選定までの期間が長かった。その期間をもう少し短縮できないものか?と記入した。様々な事情はあるのでしょうが、この期間が本当に長く感じたからだ。(迅速コースというものもあるらしいが)

 

 その3ヶ月アンケートと共に、患者さんへの返信の手紙も書いた。返事を出すにはどうすればよいか問い合わせると、管轄の地方事務局へ送れば転送してくれるらしい。もちろん本文には個人情報の類は一切記載していない。返信は書くべきか迷ったが、頂いた手前、書くべきと判断し、頂いた手紙と同じ位の長さで書いた。これであと1回ずつはやりとり出来る。

願わくばもう一度手紙が来て、順調に快復している様子が記されていれば最高に嬉しいのだけれど、一度頂けただけでもじゅうぶんだ。

 

 返事を郵送した数日後、クリーム色封筒が届いた。返信の手紙が届き、手紙の内容を確認(検閲)の上、中央事務局を通じ、患者さんへ送ったという報告だった。ご丁寧に切手まで同封されていた。切手代くらい別にいいのに…。

 

※次回は最終回“エピローグ”へ続く。