柱の傾き | 奈良県古民家再生協会ブログ

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古民家のリフォームです。

普通家はまっすぐに立っているものです。

そして柱もまっすぐ、垂直であるはずです。

しかし経年で不同沈下やそのほかの影響で

わずかに家が傾くことがあります。

 

現代の在来工法の家は筋違や合板で固められていて

それほど傾いたりするものではありません。

新築時の施工は水平、垂直ともに1000分の1を基準

に管理しています。

水平方向に1m移動したところで1ミリの傾き、

柱で床から1m上がったところで1ミリの傾きです。

実際はそれもほぼありません。

一般的な出入り枠の床から鴨居の間で2ミリも傾い

ていることはほぼないと思います。

床も同じで6畳間の短辺で3ミリも傾くこともまず

ありません。

もっと精度がいいということです。

 

しかし古民家のように筋違や合板がなく、土壁と

水平方向に入れた貫では家が傾くことがあります。

写真は建具では調整できないくらいの傾きがある柱に

添え柱を取り付けたものです。

床と鴨居付近で3センチくらいのずれがあるので板を

斜めに引き裂いて貼り付けています。

さすがにもとのままでは建具の建付けを合わせること

ができません。

 

在来工法では柱の傾きは30分の1以上の変形能力は

ありませんが、伝統工法では15分の1以上の変形能力

があるといわれます。

合板や筋違と土壁の差です。

ですからこのような状態でも家は形を維持することが

できます。

古民家に行くとこのような細工がしてあるのを時々見

かけます。